ひとり会社設立で合同会社設立時に注意すべきことは?[ひとり会社の設立]
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
最近「合同会社」に関する書籍が多く出ています。
株式会社より設立費用が安いということもあり、現在注目されている法人形態です。
でも、暗に費用が安いから合同会社がいいというわけではありません。
合同会社設立時に注意しないといけないことをまとめてみました。
ひとり会社設立で合同会社に適している会社とは?
合同会社の特色とは?
合同会社は
- 「人的」要素が強い
- 定款自治が株式会社より強い
ということをまずは押さえてください。
まず「人的」要素の部分ですが、どうしても合同会社は組合的要素が強い会社形態です。
合同会社は「社員」(特例有限社員)で構成されていて、「社員」が出資者となって会社の運営にあたっていきます。
なので、出資者によって、会社の運営方針をどうするかを決めて置かないと、設立後問題がおきます。
そして、合同会社は、内部規律については組織、会社の運営管理、構成員の権利義務など、定款で自由に定めることができます。
つまり、書籍やインターネットの雛形だけでは会社形態にそぐわないものになってしまいます。
自分の会社形態に合わせて、合同会社の特色に合うかを検討しないといけません。
合同会社にあうビジネスを検討する
合同会社は、定款自治が広いのでm「定款・組織運営のルールが自由に決められる」ことをまずは起業家の方は意識しないといけません。
定款に業務執行社員の規定、社員総会を作るか、社員の相続、配当(社員間で自由に定めることができる)、競業や利益相反、退社事由など、あなたの会社の規模に応じて対応しないといけない問題が出てきます。
特に社員の相続は、規定をおいておかないと、社員が亡くなったときの相続権がなく、会社運営にも影響が出てきます。
そのことを考慮した上で、費用が安いから、簡単だからという理由だけで合同会社を選ぶのはリスクが大きいです。
あと、合同会社で金融機関の融資が受けられないという事例もあるようです。
合同会社だと社会的信用がまだ浸透していないのが現状のようです。
なので、合同会社が向いているのは、ひとり会社で事業がコンパクトな場合、融資などの問題が発生しない場合に限られるのではないかというのが私の考えです。
そうなると、副業・複業である程度収益があがり、法人化する器がほしい起業家の方には向いている形態とも言えます。
合同会社から株式会社へ変更はできるのか?
合同会社を設立したが、規模が大きくなったので、株式会社に変えたいという方も増えています。
組織変更で合同会社から株式会社への変更は可能です。
ただし、すぐに変えることはできず、最低でも2ヶ月ほどかかることは覚えておいてください。
そのことも考えて、会社設立段階で株式会社にするか合同会社にするかを検討するといいでしょう。
まとめ
合同会社設立に際しては、自分の会社をどのように運営していきたいかを意識して、費用が安いからだけで動くのは避けてください。
今回のブログを書く際に、月間登記情報664号(テイハン)を参考にしました。
今回は
『ひとり会社設立で合同会社設立時に注意すべきことは?[ひとり会社の設立]』
に関する内容でした。
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