就任承諾書 取締役や監査役が就任する際に押印する印鑑は?本人確認証明書は?[小さな会社の企業法務]

取締役や監査役が就任承諾書に押印する印鑑は何かを確認!本人確認証明書も必要かも合わせて確認!

東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

5月から6月にかけて、大企業・中小企業問わず多くの株式会社で定時株主総会を開催する時期です。
これは事業年度が3月末の会社が多く、定時株主総会は事業年度終了後2ヶ月(大会社は3ヶ月)以内に行われるからです。

定時株主総会で任期満了に伴う取締役や監査役が退任するため、新たに役員を選任、再任したりする議案が出されます。

ところで、取締役や監査役を選任した際には、就任の意思を表明するため就任承諾書を用意するのが原則です。

その就任承諾書に押印する印鑑は実印なのでしょうか?それでも認印で足りるのでしょうか?
その疑問に今回はお答えしていきます。

取締役及び監査役が就任承諾書に押印する印鑑は認印か実印か?

取締役・代表取締役の場合

まず、取締役・代表取締役の就任承諾書に押印する印鑑についてですが、取締役会設置会社と非取締役会設置会社で異なります。

取締役会設置会社の場合

取締役の就任承諾書に押印する印鑑は、認印で構いません。

ただし、本人確認証明書、例えば住民票や運転免許証の写し等が別途必要です

取締役の再任の場合も、就任承諾書に押印する印鑑は認印で構いません。
なお再任(重任)の場合は本人確認証明書は不要です。

次に、取締役会設置会社の代表取締役の就任承諾書です。

新たに選任された場合には、就任承諾書には個人実印で押印し、印鑑証明書を添付しなければなりません。

ただし、再任された場合の代表取締役の就任承諾書は、認印で構いません。

結論は、取締役会設置会社では代表取締役が新たに選定された場合、就任承諾書には実印押印と印鑑証明書を添付しなければなりません。
取締役が選任された場合は就任承諾書は認印で大丈夫です。

非取締役会設置会社の場合

取締役が新たに選任された場合、当該取締役の就任承諾書は、実印で押印し、印鑑証明書の添付が必要です。

これは非取締役会設置会社の取締役は各自代表が原則だからです。
取締役会設置会社で代表取締役を選んでいるのと同じであると理解するといいでしょう。

本人確認証明書の添付は、印鑑証明書を添付しているので別途住民票などは用意する必要はありません。
ただし、本人確認証明書を添付しなくていいとなっていますが、就任承諾書に住所を記載しなければならないのが、東京法務局の扱いです。

取締役が再任された場合の就任承諾書に押印する印鑑は認印で構いません。

代表取締役については、新たに選任された場合、再任を問わず認印で構いません。

結論は、非取締役会設置会社の場合は、取締役が就任する際に就任承諾書に実印を押印し、印鑑証明書の添付が必要になります。
非取締役会設置会社の場合は代表取締役の選定については就任承諾書に実印押印は不要です。

なお、取締役会設置会社、非取締役会設置会社を問わず、議事録に就任承諾の旨を記載すれば、就任承諾書を添付せずに議事録を援用できます。

なので、議事録を就任承諾書の変わりにする場合、議事録に押印する印鑑は就任承諾書に押印する場合と取り扱いは同じなので確認してください。

あと、こんがらがるかもしれませんが、代表取締役を選定する場合は、議事録に押印する印鑑については原則出席取締役の実印押印を要し、印鑑証明書の添付が必要です。

例外として出席取締役等の実印押印が不要な場合があります(代表取締役が法務局に提出してある会社実印で押印している場合)。

詳しくは、取締役会設置会社の場合ですが、こちらのブログを参考にしてください。

取締役の就任承諾書の押印について、根拠条文を示しておきます。

(添付書面)
第61条
1(省略)
2 設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑についても、同様とする。
3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
(以下略)

監査役の場合

取締役会設置会社、非取締役会設置会社を問わず、そして、選任再任を問わず、就任承諾書に押印する印鑑は認印で構いません。

ただし、新たに選任された場合は、本人確認証明書が必要になるので注意してください。

まとめ

取締役・代表取締役の就任承諾書の押印は、取締役会設置会社・取締役会を置かない会社で異なりますので注意してください。

監査役は取締役会設置会社・非取締役会設置会社を問わず結論は同じです。

なお、就任承諾書を添付せず株主総会議事録や取締役会議事録等を「就任承諾を証する書面」とする場合、議事録に実印を押印しなければなりません。

私の場合は、極力就任承諾書をもらうようにしています。

今回は
『もう一度確認!役員の就任承諾書に押印する印鑑は?』
に関する内容でした。

あわせて読みたい

株主総会議事録に押印する議事録について注意しなければならないことをまとめました。

株主総会議事録の作成や押印で注意しなければならないことは?

参考書籍

この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
会社設立・企業法務・相続を得意としています。
趣味は鉄道(撮り鉄・乗り鉄両方です)・ランニングです。
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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