こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。
目次
はじめに
「そろそろ遺言を書いておいたほうがいいかしら…」そう感じている方も多いのではないでしょうか。
70代の女性からも「遺言を書きたいけど、どうしたらいいの?」というご相談をよくいただきます。
実は、遺言があるのに相続でもめるご家庭も多いのが現実です。
この記事では、司法書士の立場から、遺言を書くときに気をつけたいポイントや、“家族が争わないための伝え方”をお伝えします

1. 遺言があるのに揉めてしまう理由とは?
「遺言書さえ書いておけば、あとは大丈夫」そう思っていませんか?
ところが、実際には遺言があることで相続の争いが始まってしまうケースも多いのです。
その理由は、「内容」と「伝え方」にあります。
どんなに法的に正しくても、家族の気持ちがついてこなければトラブルの元になってしまいます。
2. よくあるトラブル事例
司法書士として相談を受けた例をご紹介します。(実際の内容とは異なります)
ある女性が「すべての財産を長男に相続させる」と遺言を残しました。
理由は「老後の面倒を見てくれたから」でした。
しかし、他の兄弟姉妹には事前に伝えておらず、遺言の内容を知ったとたん、家族の関係が壊れてしまいました。
「自分は何ももらえなかった」
「母は本当にこの内容を望んでいたのか?」
こうした不信感が相続トラブルにつながるのです。
3. 自筆証書遺言の注意点
ご自身で手軽に書ける遺言として「自筆証書遺言」があります。
しかし、注意すべき点がいくつもあります。
✅ 日付が抜けていると無効になる
✅ 署名・押印がなければ認められない
✅ 内容が不明確だと、解釈をめぐって争いになる
また、せっかく書いても誰にも見つけてもらえなかったり、遺言書が改ざん・破棄されるリスクもあります。
4. 公正証書遺言との違いと安心感
そこでおすすめしたいのが「公正証書遺言」です。
公証人と証人が立ち会って作成するため、法的な不備や紛失の心配がありません。
さらに、原本は公証役場に保管されるため、後から「なかったことにされる」心配もありません。
多少費用はかかりますが、家族の安心のためには十分価値があります。
5. 家族が納得できる遺言にするための3つの工夫
遺言を残すときに、家族が揉めないようにするためには、次のような工夫をしてみてください。
(1)理由を言葉で伝えておく
「なぜこの人に多く残すのか」
「なぜこの配分にしたのか」
背景を一言伝えるだけで、納得感が変わります。
(2)できれば生前に話しておく
驚きや不信感を減らすためにも、家族と事前に話す機会を持つことが大切です。
(3)誰かに相談しながら書く
司法書士や公証人など、第三者の専門家と一緒に考えることで、自分では気づけなかったリスクを防げます。
6. 司法書士に相談するメリットとは
司法書士は、相続の手続きだけでなく、「もめない遺言」の作成にも対応しています。
- 法的な有効性のチェック
- 財産の棚卸しサポート
- 相続人の確認
- ご家族に配慮したアドバイス
遺言を書くのは初めてのことだからこそ、専門家と一緒に進めることで安心できます。
7. まとめ:安心して遺言を残すために
「遺言書があるから大丈夫」と思っていても、内容や伝え方によっては、かえって家族を悩ませてしまうこともあります。
大切なのは、“想いをきちんと伝える”遺言です。
今のうちに、少しずつ準備しておきませんか?
あなたの声が、家族の未来を守ることにつながります。
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