ひとり株式会社の役員変更 役員が自分だけでも役員変更登記が必要なのか?江戸川区の司法書士が解説

東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

最近、フリーランスや副業で法人化する人が増えています。

ひとりで株式会社を経営していても、絶対にしなければならない登記 それは「役員変更登記」

今回はひとり株式会社の役員変更登記に焦点をあてます。

フリーランスや副業で株式会社をしている方は必見の内容です。

あなたの会社が任期満了になっているかを確認する方法は?

自分の会社設立後どれだけ経っているのかを知る方法の1つ目は、法務局で「履歴事項全部証明書」を取得し確認することです。

その時に「会社成立の年月日」を確認してください。

そして、次に確認するのが自分の会社の「定款」。

定款は、自分の会社に必ずありますので確認してください。

どうしても見つからない場合は、設立時に司法書士・行政書士に依頼している場合は司法書士・行政書士に、税理士が関与している場合は税理士に確認してください。

どうしても見つからない場合は、公証役場で確認するといいでしょう。

ひとり株式会社の場合、任期を10年にしていることが多いので、まずは設立後10年になっていないか確認してください。

注意しないといけないのが事業年度がいつまでかということ。

例えば事業年度が3月で、会社設立が8月の場合、最初事業年度(第1期)は8月から3月までとなり、1年ありません。

そこから数えて10期を迎えていたら、役員改選時期と思ってください。

役員改選の方法 定時株主総会で行う

任期満了したら、役員改選を行います。

定款で役員の任期の条項の多くは「選任後10年以内の最終の定時株主総会終結のときまで」となっています。

なので、計算書類の作成が終わり、承認を得る定時株主総会で役員改選を同時にします。

とはいってもひとり株式会社なので、ひとりで提案し、承認すればいいです。

それをもとに議事録を作成して、登記申請をすればいいです。

議事録については、会社法施行規則に基づいて作成する必要があるので注意です。

ここからは私見を書きます。

ひとり会社であるので、定時株主総会を開催するというのは実態上合っていない気がするのです。

なので、会社法第319条のみなし総会方式で行うのが実態には合っていると感じます。

会社法第319条の場合は、自分から議案提案をし、自分で承認すればいいので、より実態にぴったりです。

その内容を会社法施行規則に基づいて議事録を作ればいいです。

なお、みなし総会で行った場合の提案書と同意書は登記の添付書面にはなりませんが、作成して会社に保管すべきです。

定時株主総会開催後に任期満了と気づいてしまった場合の対処法

すでに計算書類の作成が終わり、承認を得た内容で申告してしまったあとに役員改選があったことに気づいた場合、どうすればいいか?

その場合は、速やかに株主総会を開催して下さい。

会社法第319条のみなし総会形式でも構いません。

ただ、この場合は「定時株主総会」にはできず「臨時株主総会」で行うべきです。

さらに退任、就任の時期にも注意です。

定時株主総会のときに任期が満了しているので、計算書類を承認した日をもって「退任」、総会を開催した日を「就任」とするしかないと思われます。

ただ、定時株主総会で役員改選の決議をしたが漏れてしまった場合は「重任」とすることはできます。

基準としては、定時株主総会で役員改選の決議をしたかどうかで判断することになります。

ただ、注意なのは、許認可が絡む場合「退任」「就任」の間、役員でないと言われることもあるので、注意して下さい。

代表者の住所が変更になっていた場合

役員変更する前にあなたの住所が変わっている場合、どうすればいいのか?

登記実務の場合、いきなり移転後の住所による重任登記を認めています。

なので、新住所で役員の重任登記をすることができます。

問題は選任後、登記申請前に住所を移転している場合。

この場合は、重任登記のときは旧住所で重任登記をし、現在の住所の登記と一括申請するのが望ましいと思われます。

まとめ

ひとり株式会社の場合は、役員改選の時期を漏らしがちです。

もう一度自分の会社の任期を確認してください。

あとは代表者の住所が変わっていたら新住所で登記申請することをお忘れなく。

今回は
『ひとり株式会社の役員変更 役員が自分だけでも役員変更登記が必要なのか?江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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