役員変更登記で定款を添付しなければならない場合はあるのか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
私の会社は非取締役会設置会社です。
この度役員変更をしたので、登記申請をしたいのですが、定款を添付しなければならない場合があると聞きました。
どのような場合でしょうか。
代表取締役を選んだ際の選び方により、定款を添付しなければならない場合があります。
今回は役員変更登記で定款を添付しなければならない場合を紹介します。
役員変更登記で定款を添付しなければならない場合はあるのか?
役員変更登記で定款を添付しなければならない場合 その1
役員変更登記を行う場合の多くは、取締役の任期が満了したため、新たに選任する場合です。
まず、役員の任期が満了したことを証するために定款を添付します。
定款には、役員の任期の定めがあるからです。
ただし、株主総会議事録で「定款の規定により本定時総会終結をもって任期が満了し退任するので」と記載があれば、定款の添付は不要となります。
多くの会社では、議事録に任期満了の旨を記載しているので、退任時期を証するための定款添付は基本ありません。
役員変更登記で定款を添付しなければならない場合 その2
取締役の任期が切れると、代表取締役の任期も自動的に満了します。
そこで、再度取締役を2名以上選任した場合、代表取締役を選ぶ必要があります。
ここで定款の規定を見てもらう必要があります。
定款で「代表取締役を取締役の互選をもって定める」と規定があれば、互選したことを証する書面とともに定款の添付が必要となります。
代表取締役を株主総会で選定する場合や、ひとり株式会社の場合は、定款の添付は不要です。
役員変更登記で定款を添付しなければならない場合 その3
ここからは取締役会設置会社の場合になります。
取締役会設置会社の場合、代表取締役は取締役会で選ぶことになっています。
ただし、定款で代表取締役を株主総会で選定することも可能であると解されています。
そこで、取締役会設置会社の場合で代表取締役を株主総会で選定した場合、定款添付が必要となります。
役員変更登記で定款を添付しなければならない場合 その4
取締役会設置会社の場合、監査役が必須となります。
監査役で監査権限が会計限定しかない小会社の場合、初めて会計限定の旨の登記をする際には、定款が必要となります。
定款に監査役の権限のことを記載してあることを証するためです。
もし、定款が古いままの場合は、「証明書」を用いることも可能ですが、この機会に合わせて定款見直しが必要となります。
まとめ
非取締役会設置会社の場合は、代表取締役の選び方次第で、定款の添付が必要なのですね。
あと、定款の確認は逐次行ったほうがいいですね。
はい、代表取締役を選ぶときに定款が必要となります。
定款は「会社の憲法」なので、逐次経営者の方は見ておく必要があります。
今回は
『役員変更登記で定款を添付しなければならない場合はあるのか?』
に関する内容でした。
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参考書籍
商業登記ハンドブック第3版 | ||||
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