東京都江戸川区葛西駅前 会社設立などの企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
最近ある会社の経営者から「みなし解散の通知予告」が来て困っているとの話を聞きました。
自分の会社の役員任期を把握していない経営者も悪いですが、会社を解散させるわけにはいかない。
どうすればいいのか
今回はこちらの疑問にお答えいたします。
ひとり会社の設立 任期満了で役員変更登記を忘れてしまった場合の対処法は?
まずはあなたの会社の定款を確認!
自分が会社設立した時の定款はお持ちですか?
そこには任期は何年になっていますか?
まずはあなたの会社の役員任期を確認して下さい。
もし、定款変更している場合は株主総会議事録も確認して下さい。
議事録に定款変更で任期を伸ばしているはずなので、それを確認して、まずは本来の任期満了日を把握して下さい。
もし定款がないというのであれば、近年株式会社を設立していれば公証役場で確認できるかもしれませんので、問い合わせて下さい。
司法書士に会社設立を依頼していればその司法書士を、税理士がいる場合は税理士にも確認して下さい。
任期満了日を確認したら、役員選任手続きを!
任期満了日がいつかを確認したら、そこから2カ月以内に定時株主総会を開催したかを確認して下さい。
なぜかというと任期満了日を確認するためです。
定款で選任後○年以内の定時株主総会終結の時までとなっているので、定時株主総会を開催していたら、その日で任期が切れます。
しかし、多くのひとり会社は定時株主総会すら開催していないことが多いので、その場合は、決算期から3カ月経過した日をもって任期を満了させます。
会社法では、最終の事業年度の翌日から3カ月以内に定時株主総会を開催する決まりになっているので、その日をもって任期が満了するからです。
例えば3月決算の会社であれば、6月30日までに定時株主総会を開く必要があります。
もし、その日までに定時株主総会をしていないのであれば、6月30日任期満了で役員は退任することになります。
臨時株主総会を開催して速やかに役員選任し登記手続きを!
任期満了しているにもかかわらず、役員選任もせず放置してしまった場合、速やかに株主総会を開き、役員を選び直して下さい。
同じ人が引き続き役員になる場合でも、その人を選ぶ必要があります。
その際の株主総会議事録は、「定款の規定により平成○年○月○日をもって任期満了し退任しているので」という振合で退任事由を記載する必要があります。
さらに、同じ人を選んだ場合、登記原因は「年月日重任」とすることができず「年月日退任」「年月日就任」としなければなりません。
まとめ
みなし解散の通知が来てしまった以上、速やかに法務局に継続の通知をした上で、役員変更登記を申請して下さい。
あと、過料(罰金みたいなもの)がかかりますので、ご注意下さい。
今回は
『小さな会社の法務 任期満了で役員変更登記を忘れてしまった場合の対処法は?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
ひな形定款で会社を設立すると、その後の会社運営に支障をきたすこともあります。その理由はこちらを御覧ください。
参考書籍
中小企業の戦略的会社法務と登記
今川嘉文 中央経済社 2016-09-24
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