東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
平成26年以降毎年、全国の法務局で休眠会社・休眠一般法人の整理作業を行っています。
株式会社の場合、最後の登記をしてから12年を経過すると、休眠会社の整理の対象となります。
登記をするのを忘れてしまうと面倒なことにつながります。
このブログでも何度も紹介していますが、大事なので紹介します。
あなたの会社は大丈夫?登記を12年していないと・・・
登記せずそのまま放置すると大変なことに!
最後の登記をしてから12年経過すると、法務局からあなたの会社は事業を継続していますかという通知が来ます。
通知が来て、事業を継続しているのであれば、
「まだ事業を廃止していない」旨の届出を官報公告があったときから2か月以内に提出しないといけません。
ここ最近は10月くらいに休眠会社の整理の官報公告がでますので、そこから2か月以内に提出しなければなりません。
あなたの会社が休眠会社の対象となっていて、法務局から通知が来ない場合でも、休眠会社の整理作業は進みますので注意です。
もし「事業を廃止していない」旨の届出をしなければ、法務局の職権でみなし解散登記がされます。
実際に事業を継続している状態であっても、届出がない限り自動的に解散扱いとなるので注意してください。
「事業を廃止していない旨」の届出を出すだけではダメな理由
「事業を廃止していない旨」の届出をすれば、この年の休眠会社の整理対象とはなりません。
しかし、通知を出したにもかかわらずその後何も登記しないままだと、翌年も法務局から事業をしているかの通知が来ます。
結局のとこる、役員変更等の必要な登記をしない限り、毎年通知が来るものだと思ってください。
会社としては法律の手続きに基づき早急に役員変更等の登記を申請することが重要です。
当然過料の対象となり、いくら費用を払わないといけないか分かりませんが・・・
なお、この過料は会社の経費にならないので注意してください。
つまり、代表取締役のポケットマネーから捻出する必要があります。
役員変更の任期を改めて考える
中小零細企業の場合、家族経営の場合、何が何でも任期を10年にしたがる傾向にあります。
ひとり株式会社の場合はともかく、取締役が複数いる場合は、任期をどうするのか改めて考える必要があるでしょう。
登記費用を浮かせたいとかの理由だけで任期を10年にするのは小さな会社であっても登記漏れのリスクが高く、休眠会社の整理の対象になることを意識してください。
あと、10年経てば自動的に再任され、登記も必要でないと勘違いしている経営者もいます。
任期が満了したら、株主総会で再度取締役を選びなおし、再任の登記をしなければなりません。
それが影響してか、みなし解散の通知がきてはじめて、大変な状況になていることを知る経営者も多いのです。
まとめ
みなし解散の登記がされると、会社の現状の経営はできなくなります。
清算事務しかできなくなるので、会社としての信用性がなくなります。
なので、法務局から通知がきたら、速やかに「まだ事業を廃止していない」旨の届出をした上で役員変更登記を申請してください。
過料が来ることはあなたの責任ですので、任期管理をしっかりするようにしてください。
今回は
『小さな会社の法務 あなたの会社は大丈夫?株式会社で12年登記をしていないと・・・』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
小さな会社の法務 特例有限会社や合同会社にはみなし解散制度があるのか?こちらのブログも合わせて御覧ください。
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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解散・倒産・非訟 (商業登記全書【第8巻】)
神﨑満治郎 中央経済社 2014-07-19
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