東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
2019年度がスタート
3月決算の会社は、新年度がスタートします。
そこで、中小零細企業で3月決算の会社が5月末までにしなければならないことを商業登記の観点からまとめました。
小さな会社の企業法務 商業登記 3月決算の会社が5月末までにする必要があることは?
1 計算書類の作成等
3月で1年の会計年度をしめて、会社の確定申告のための準備を行います。
そして、貸借対照表や損益計算書、株主資本変動計算書や個別注記表などの計算書類をまとめ、定時株主総会にはかります。
そこで、定時株主総会を開催するにあたり、3月末までに株主の変動があったかどうか、再度確認してください。
中小零細企業の場合、事業承継で後継者に株式を渡していることもあるので、定時株主総会における株主と議決権数はこの段階で整理してください。
定時株主総会をいつにするか目処をたて、それに従って計算書類の作成、承認、定時株主総会招集のための取締役会(取締役決議)の日付を決めてください。
会社法では、定時株主総会は事業年度末日から3ヶ月以内に行うとなっていますが、税務申告は、事業年度終了後2ヶ月以内に行う必要があります。
税務申告する計算書類は定時株主総会の承認が必要なため、定時株主総会は事業年度終了後2ヶ月以内に行うのが原則です。
2 定時株主総会の開催
定時株主総会は毎年必ず開催しなければなりません。
これはひとり株式会社であろうと必ず開催するものです。
でも、ひとり株式会社や家族経営の株式会社は書面決議(みなし株主総会)の活用も検討すべきです。
定時株主総会を開催したら、会社法及び会社法施行規則に基づき議事録を作成し、保管する必要があります。
中小零細企業だと、議事録を保管すらしていないところが多いし、そもそも定時株主総会を開催していないというのも見かけます。
税務署に申告書を提出する前に定時株主総会は必ず開催してください。
3 役員改選の時期にあたるかどうかの確認
定時株主総会の際に、商号や目的、定款変更に関わるものがあれば、この総会で決議をしましょう。
さらに、取締役や監査役の役員改選の時期になっていないかを確認してください。
役員の任期については定款で定めていますので、任期満了の時期になっていないか、増員取締役や補欠取締役の任期も満了していないかチェックしてください。
中小零細企業が定時株主総会を開催するのは、役員改選の時期に当たるかどうかの確認の意味合いも強いです。
ひとり株式会社や中小零細企業は取締役の任期を10年にしているところが多いので、今回役員改選時期なのかは要チェック。
役員改選時で同じ人がまた取締役等になる場合でも、定時株主総会での選任決議と就任承諾は必要です。
合わせて代表取締役の住所が登記簿に記載されているものと変わっていないかも確認してください。
まとめ
3月に事業年度が満了する会社が5月までに行うこととしては以下のとおりです。
・計算書類の作成
・定時株主総会開催
今回は
『小さな会社の企業法務 3月決算の会社が5月末までに行うことは?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
ひとり株式会社の場合の書面決議については、こちらのブログを御覧ください。
参考書籍
株主総会・取締役会・監査役会の議事録作成ガイドブック〔第2版補訂版〕
三井住友信託銀行証券代行コンサルティング部 商事法務 2019年03月20日
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商業登記実務から見た中小企業の株主総会・取締役会
金子 登志雄/立花 宏 中央経済社 2017年05月01日
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