東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
最近多いのが、役員の任期の満了時、つまりいつ任期が切れるのかという問題。
特に増員取締役や補欠として選ばれた取締役の任期がどうなるのか。
意外と勘違いされている方が多いので、気をつけたいところです。
小さな会社の法務 役員の任期の数え方と取締役の任期前に退任する場合
役員変更登記で大事なのは定款の規定
定款の規定がなぜ大事なのか?
それは、役員の任期がいつまでか、増員もしくは補欠として選ばれた取締役の扱いについて条項で盛り込まれているから。
定款は会社の憲法そのもの。
あなたの会社の法律といっていいでしょう。
なので、定款の規定にあった会社運営、管理をしていかないといけないのです。
役員の任期 あなたの会社は大丈夫ですか?
3月決算の会社、役員の任期が10年以内の事業年度に関する定時株主総会の時までと定めている会社があるとします。
この会社が平成20年2月1日設立したとした場合、任期が満了するのは、平成30年3月決算に関する定時株主総会終結の時までと思っていませんか?
実はこれは誤りで、平成29年3月決算に関する定時株主総会終結の時まで、つまり平成29年5月に行われる定時株主総会終結の時が任期満了となります。
なぜかというと、平成29年2月1日設立の最初の1期目は平成29年3月31日で終わるからです。
つまり、そこで1年とカウントされるため、取締役の任期も短くなります。
10年とか言われていても、1期目の決算期が短かったり、途中で決算月を変えると、取締役の任期が短くなるので数え間違いにはくれぐれも注意してください。
数え間違えて、本来の定時株主総会で取締役を選任しなければならないのに選任を忘れてしまうと選任懈怠の問題、強いては登記懈怠の問題になり、過料の対象となります。
取締役の任期が短くなる場合 増員取締役・補欠取締役
既に取締役が選ばれていて、増員として新しく取締役が選ばれた場合にも注意です。
定款の規定で増員取締役の任期が他の取締役の任期と同一となっている場合、たとえ増員取締役の任期が到来していなくても、他の取締役の任期に縛られ、同じ時に退任しなければなりません。
また、退任取締役の補欠として選任された取締役も、定款の規定で残存期間が任期であるとされていれば、その取締役も前任者の任期に縛られます。
つまり、10年任期の会社で前の取締役が辞任し後任者として選ばれた取締役の任期は、前任者が4年間在任していれば、後任者は残り6年となるのです。
まとめ
役員変更登記は小さな会社の場合、定款に縛られるので注意してください。
特に決算期が年をまたがる場合、特に3月決算とかにしている場合は任期の数え間違いに注意です。
今回は
『小さな会社の法務 役員の任期の数え方と取締役の任期前に退任する場合』
に関する内容でした。
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参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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