ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
特例有限会社
一般の方は「有限会社」で見る機会が多いでしょう。
今残っている「有限会社」は社歴が10年以上。
なので、一定の信頼性があるのです。
さらにコンプライアンスがしっかりしているかどうかを見極めるコツを私なりに解説します。
特例有限会社は社歴が長いイメージが!意外と信用度も高まるかも?
特例有限会社の社歴が長い理由
平成18年5月の会社法が改正されて以降、有限会社は一切設立できなくなりました。
本来特例有限会社は株式会社に一本化されることになっているのですが、有限会社の数があまりにも多いため、今でも残っているのです。
今でも特例有限会社の数はかなりあります。
裏を返せば、特例有限会社として残っている会社は10年以上続いている優良企業とみることができるのです。
特例有限会社が信用度が高いと見ることができる場合は?
まずは登記事項証明書をみて、平成18年5月1日以降、何らかの理由で登記がされている会社は、それなりにしっかりしている会社と推測されます。
ただし、法令の規定で登記されているものもあるので注意が必要です(譲渡制限株式など)。
いくら10年会社として残っていても、中には設立当初のままの会社の場合が少なくありません。
あと、登記事項証明書を見るポイントとして「監査役」があるかどうかがあります。
意外と設立が古い会社は監査役が残っています。
特例有限会社の監査役は会計監査権限しかないので、見方によっては名ばかり監査役だろうと思われても仕方がありません。
監査役があるとコンプライアンスの観点からいいと思われがちですが、単なるお飾り状態だと逆に会社のイメージを悪くすることもあります。
あと、登記事項証明書をポイントとして取締役や監査役の住所があります。
ときどき、取締役等の住所が未だに住居表示実施前のままで記載されてる会社があります。
こういう会社は会社を設立してから一度も変更登記をしていないと思われても仕方がありません。
会社経営は熱心なのか疑われても仕方がありません。
なので、あなたの会社が一般の方から信用されたければ、登記事項証明書を取得し、現状の会社形態とあっているかを確認してください。
あっていなければ速やかに変更登記申請することが重要です。
あなたの会社、定款の整備していますか?
意外と特例有限会社の定款を会社法の条項に合わせて整備している会社は少ないです。
未だに会社設立の定款のままだったり、下手すると無くしてしまったという会社もあります。
会社として存続する以上、定款は今の時代に合わせ、さらには現行の法律に基づいた定款に見直しすることをおすすめします。
その位の費用は必要経費だと思ってください。
あなたの会社、定款はどうなっていますか?
まとめ
特例有限会社は10年以上続いている優良企業と見る反面、定款や登記事項証明書が現状とあっていない会社も多いです。
信用される会社づくりのため、できるところから見直してみてはいかがですか。
今回は
『小さな会社の法務 特例有限会社は社歴が長いイメージが!こうすれば信用度がさらに増します!』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
特例有限会社のままでいくか、株式会社にするか迷われている経営者もいるでしょう。
こちらのブログを合わせて御覧ください。
小さな会社の法務 特例有限会社 そのままがいいのか株式会社にしたほうがいいのか
参考書籍
会社法定款事例集
田村 洋三 日本加除出版 2015-07-01
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特例有限会社の登記Q&A増補・改訂版
神崎満治郎 テイハン 2019年11月
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