株主の持株数を変えましたが登記手続必要ですか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
株主の持株数を変えました。
それに伴い登記手続をお願いしたいのですが…
よく中小零細企業の担当者から問い合わせがあります。
株主が変わったり、持株数が変わったときになにか登記手続をしないといけないのでしょうか。
株主の持株数を変えましたが登記手続必要ですか?
株式で登記手続が必要な場合
登記簿に記載される事項は
- 発行可能株式総数
- 発行済株式総数
こちらに変化が生じた場合、登記手続をする必要があります。
代表的な例は、募集株式の発行で発行株式数が増加する場合。
発行可能株式総数は発行済株式の総数を超えてしまう場合に定款変更手続の一つで行います。
株主名と株主が有する株式の数は登記事項になっていません。
なので、会社内で株主が変わったり、持株数が変わっても登記手続をする必要がありません。
株主や持株数が変わったときに会社がする手続きは?
まず株主に株式を譲渡する場合、非公開会社の場合、会社の承認が必要です。
承認は定款の記載事項になっているので、それに従って行う必要があります。
非取締役会設置会社の場合は「株主総会」で、取締役会設置会社の場合は「取締役会」で行うことが多いです。
そして、さらに大事なのは、譲渡人・譲受人共同で会社に対し株主名簿の名義書換を請求すること。
会社は株主から請求があり次第、速やかに株主名簿を変更する必要があります。
会社法で、会社は株主名簿の設置義務があるため、常に最新のものを備えないといけない決まりになっています。
あと、会社法では株券の発行をしないことが原則となっています。
株主から、株主名簿記載事項の請求があれば、会社は記載事項の証明書を発行しないといけません。
さらに、株主総会で登記事項を決議した場合、株主リストを添付しないといけません。
これからのことから、株主名簿は常に最新の内容のものを備えておかないとまずいことになります。
逆に株主がいつまで経っても株主名簿記載事項の変更手続きをしないと、会社は株主名簿に記載されている内容で処理を行うことになります。
まとめ
株主間での持株数の変更などは登記に関係することはありません。
ただし、株主名簿の書き換えが必要になるので、所定の手続を会社及び株主は忘れないようにしてください。
今回は
『株主の持株数を変えましたが登記手続必要ですか?[小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。
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