会社法一部改正 小さな会社の企業法務で考えられる影響点は?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
令和元年12月4日,会社法の一部を改正する法律が成立し、11日公布されました。
今回、どのような経緯で改正するに至ったのか、中小零細企業への影響はどのくらい出るのか、2019年12月段階での影響をまとめました。
会社法一部改正 小さな会社の企業法務で考えられる影響点は?
会社法改正の経緯は?
法務省によると、改正の経緯について、以下の通り説明されています。
平成26年の改正時に設けられた附則においては、平成26年改正法の施行後2年を経過した場合において、企業統治に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは,その結果に基づいて、社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずるものとされていました。また、平成26年の改正後にも,会社法の更なる見直しについて、様々な指摘がされていました。
今回の改正は,これらの指摘等を踏まえ、会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため,会社法の一部を改正するものです。
(法務省ホームページより抜粋)
これを読む限り、大企業に関する改正がメインであることは明らかと言えます。
といっても、中小零細企業で影響が出る改正もありますので、次に解説していきます。
中小零細企業で注意しなければならない改正は?
今回の会社法の一部改正について、私が気になる中小零細企業へ影響を及ぼす改正は以下の2点です、
- 会社の支店の所在地における登記の廃止
- 成年被後見人等についての取締役の欠格条項の削除及びこれに伴う規律の整備
あと、商業登記法関係では、会社設立時の印鑑の提出が任意になることも意外と見逃せない論点になります。
印鑑については、印鑑業界の影響もあり、全面廃止にはならなかったですが、今後ますます電子化へ進んでいくでしょう。
そうなると、中小零細企業への影響もでてきます。
登記実務でも、印鑑についての影響は興味あるところです。
改正法の施行日はいつか?
12月11日に公布され、そこから1年6月を超えない範囲内において施行されることになっています。
ただし、一部については、公布の日から3年6月を超えない範囲内となっていて、その一部に支店の所在地における登記の廃止が入っています。
支店の登記の廃止は実務でも影響があるところから施行日が伸びていると思われます。
まとめ
中小零細企業への影響として、支店の登記の廃止は大きいところと言えます。
さらに印鑑の電子化の流れも注目すべきでしょう。
今回は
『会社法一部改正 小さな会社の企業法務で考えられる影響点は?[小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
小さな会社の企業法務のブログはこちらから
取締役会非設置会社の代表取締役の辞任登記で気をつけることは?
取締役の資格は株主でないといけないのか?[小さな会社の企業法務]
定款の内容を変更した場合、公証役場で認証を受ける必要があるのか?[小さな会社の企業法務]