定款の内容を変更した場合、公証役場で認証を受ける必要があるのか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
株式会社設立登記をするときに、定款の認証を公証役場でする必要があります。
「会社設立後、定款の内容を変更したときも公証役場で再認証してもらうのか」
という質問を中小零細企業の方から受けました。
その疑問にお答えします。
定款の内容を変更した場合、公証役場で認証を受ける必要があるのか?
定款変更決議の要件は?
まず、定款変更の方法ですが、株主総会で行います。
決議要件は会社の重要事項の変更に当たるため、特別決議となります。
なので定足数として、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行うことになります。
定足数については、議決権を行使することができる株主の3分の1までに減少できますが、中小零細企業がそれにしてしまうと、紛争のもととなるので、定足数は会社法規定のとおりにすべきです。
効力発生日は、条件などなければ総会で承認した日が原則効力発生日となります。
定款変更が承認されたらどうすればいいのか?
定款変更の内容が登記に絡む場合は、変更登記を速やかにする必要があります。
代表的な定款変更の例として「商号」「目的」などがあります。
定款変更決議をしても登記が絡まない場合もあります。
さて、定款変更で登記が絡まない場合、その後の手続として、もう一度定款認証を公証役場にいってする必要があるのでしょうか。
答えは、公証役場にいって再認証する必要はありません。
定款認証が必要なのは、会社設立時のみ必要で、株式会社設立後に定款変更した場合は、公証役場にいって定款認証をする必要はありません。
なので、変更したら、変更箇所がわかるように会社で管理しておく必要があります。
できれば、変更定款を作成して、変更期日等を記載しておくのが一番いいでしょう。
定款を役所に提出する場合は最新定款で!
よく許認可で定款を提出する必要があります。
その場合、古い定款のままだと、変更箇所があるのに条項を変えていないということが結構あります。
その場合は、変更箇所を修正して、新たに定款を作り直したほうがいいです。
もしそれができない場合は、変更した際の議事録を変更前定款に合綴しておくなど、常に最新のものになるような配慮をするようにしてください。
個人的には、新しい定款にしておくことをおすすめします。
まとめ
定款の条項を変更したからと行って、公証役場に再認証して貰う必要はありませんが、登記事項が絡む場合は、変更登記が必要であることを覚えてください。
ちなみに変更登記は効力発生日から2週間以内となっています。
今回は
『定款の内容を変更した場合、公証役場で認証を受ける必要があるのか?[小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。
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