ニッカウヰスキーが本店移転 東京都港区から北海道余市町へ 事例で見る本店移転登記の方法を司法書士が解説
東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ニッカウヰスキー株式会社が本店を北海道余市郡余市町へ。
アサヒホールディングス傘下のニッカウヰスキー株式会社が本店を移転するとのことで日本経済新聞に掲載されました。
ニッカウヰスキー、北海道余市に本店所在地移転(日本経済新聞より)
9月1日付で本店移転するとのことで、ニッカウヰスキー発祥の地に本店登記をすることで注目されています。
では、実際に本店移転登記をするときにどのような手続をするのか、この事例で紹介していきます。
なお、ニッカウヰスキー株式会社が、取締役会設置会社で株主が1名である前提で書きます。
ニッカウヰスキーが本店移転 東京都港区から北海道余市町へ 事例で見る本店移転登記の方法
株主総会で定款変更決議が必要
現在のニッカウヰスキーの本店は東京都港区にあります。
定款には、「本店を東京都港区に置く」などと記載されているはずです。
なので、これを北海道余市町に移すとなると、定款変更決議が必要になります。
定款変更決議は株主総会で行う必要があります。
さらに定款変更は重要な決議のため、特別決議となります。
ただ、株主1名の会社であれば、すんなり決めることができるので、株主総会の定款変更のハードルは低いです。
株主が多い会社だと、定款変更決議はハードルが高くなります。
具体的所在場所の決定は取締役会決議で
先程、株主総会では、本店所在地の最小行政区画のみを決議しました。
具体的所在場所まで定款で定めても構いませんが、定款で具体的所在場所まで定めてしまうと、その都度定款変更が必要になり、株主が多い会社だと煩雑です。
なので、多くの会社では、定款には最小行政区画だけを条項として記載しておくのです。
では、取締役会設置会社では、本店の具体的所在場所をどこで定めるのでしょうか。
答えは、取締役会決議で定めます。
本店の具体的所在場所と移転日を取締役会決議で行えばいいです。
その議事録が登記申請の際に必要となります。
本店移転登記の申請はどうするのか
今回は東京法務局港出張所分の申請書と札幌法務局分の申請書2通を作成します。
港出張所分の申請書に、株主総会議事録、株主リスト、取締役会議事録と委任状を添付します。
札幌法務局分の申請書には委任状と印鑑届書を添付します。
なお、2通の申請書は東京法務局港出張所に申請します。
港出張所で申請したあと、札幌法務局に申請書を港出張所から送付して、札幌法務局で事件処理されます。
創業70年を迎える老舗が運営【ミリオンセラー】まとめ
「原点回帰するとの考え」からの発想で本店移転するニッカウヰスキー株式会社。
今回は登記手続きについてざっくりと書きました。
このブログを書いていて、また余市蒸溜所に行きたくなりました。
今回は
『ニッカウヰスキーが本店移転 東京都港区から北海道余市町へ 事例で見る本店移転登記の方法を司法書士が解説』
に関する内容でした。
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