東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
インターネット普及した時代にあわせた株主総会資料の提供方法ができる制度が導入されます。
「電子提供制度」という新しい制度が令和4年9月1日から導入されます。
この制度はどのような制度なのか、設立当初からできるのかを中心に書いていきます。
今回は中小企業での「電子提供制度」を中心に書いていきます。
電子提供制度とはなにか?
電子提供措置について、通達では以下の通り解説されています。
電子提供措置制度とは、株式会社の取締役が株主総会資料の内容である情報を自社のホームページなどのウェブサイトに掲載し、株主に対して当該ウェブサイトのアドレス等を株主総会の招集の通知に記載等して通知した場合には、株主の個別の承諾を得ていないときであっても、取締役は、株主に対して株主総会参考書類等を適法に提供したものとする制度。
(令和4年8月3日法務省民商第378号より)
ホームページ上に株主参考資料を通知しても問題ないという制度だと思っていただければいいでしょう。
招集通知については、郵送費用などコストがかかることが懸念されていましたが、ネット上で公開できるとその分のコストダウンにもつながり、これからの時代にも適したものになっていくでしょう。
電子提供制度が導入できる会社は?
この制度は、どの規模の株式会社でも導入が可能です。
大企業に限らず、中小企業であっても導入可能ですし、特例有限会社であっても導入可能です。
今後、ネット環境に対応できる会社からもしかしたら導入してくるかもしれません。
この制度を導入したい中小企業はどうすればいいか?
この制度を導入するには、「電子提供措置をとる」旨の定款で定める必要があります。
なので、すでに設立している会社であれば、株主総会の特別決議で定款変更して導入する決議をすることが必要です。
さらに電子提供措置を採用する場合は、登記事項にもなりますので注意してください。
添付書面としては、株主総会議事録と株主リストが必要となります。
登録免許税は3万円となります。
設立当初から電子提供措置を採用できるのか?
設立時には定款作成が必要ですが、その定款内に電子提供措置をとる旨を定めることはできます。
なので、設立当初から、電子提供措置をとることも可能です。
このような会社の場合、私は決算公告に際してはウェブサイトで公表したほうがいいと感じています。
まとめ
中小企業でも、株主総会の参考資料をウェブサイトで公表できることをぜひ押さえて置くといいです。
ますますネット上で完結できる制度が充実してきますね。
今回は
『令和4年9月1日から電子提供制度が創設されます!どのような制度なのか中小企業でも導入できるのかを司法書士が解説します』
に関する内容でした。
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