会社設立後、取締役が最初に任期が満了するのはいつか?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
会社設立後、いつ自分の任期が満了するか、あまり気にしていない経営者が多いです。
任期満了時を知らないと、選任懈怠・登記懈怠の問題が発生し、みなし解散も・・・
そうならないように、役員の任期満了時はいつかを把握しておく必要があります。
今回は、「会社設立後最初に任期が満了するときの任期満了のときはいつか」について書きます。
会社設立後、取締役が最初に任期が満了するのはいつか?
取締役などの役員の任期は定款の記載事項
株式会社の取締役は任期が定められています。
すべての株式が株式譲渡制限の会社(閉鎖会社)は最大で任期が10年まで伸ばすことができます。
実は、この表記は正確ではありません。
定款には以下のように記載してあることが多いです。
取締役の任期は、選任後10年内の最終の定時株主総会終結の時までとする。
だから選任時期によって10年より若干伸びたり、短縮されたりします。
会社設立後最初に到来する任期満了時はいつか(事例紹介)
以下の会社を例に取締役の任期を考えてみましょう。
・令和元年5月7日設立
・事業年度は5月1日から翌年4月30日まで
・定時株主総会は事業年度終了後3ヶ月以内に行う
・取締役の任期は選任後10年以内の最終の定時株主総会終結の時までとする
最初の事業年度は令和元年5月7日から令和2年4月30日までとなり、1期終わります。
そうすると、10期目が終わるのが令和11年4月30日となります。
その3ヶ月以内に定時株主総会を開催する必要があるので、取締役の任期満了時のMAXは令和11年6月30日となります。
そこまでの間に定時株主総会を開催し、役員改選の決議が必要です。
たとえ同じ人が役員になるとしても、任期満了にともない退任するので、新たに定時株主総会で選任決議をしなければなりません。
なお、実務では、税務署に会社の確定申告を2ヶ月以内に申告しなければなりません。
会社の計算書類は定時株主総会で承認されるのが前提で、承認された計算書類を税務署に申告するので、実際は事業年度終了後2ヶ月以内に定時株主総会を開催することが中小零細企業の場合は多いです。
同じ人が役員になっても役員変更登記が必要
同じ人が引き続き役員になる場合であっても、任期満了したら退任し、新たに株主総会で選任し直す必要があります。
そして、意外と忘れがちなのは役員変更登記。
役員変更登記をし忘れると、過料の対象となり罰金を払わないといけません。
さらに最後の登記をしてから12年経過すると、法務局から「事業継続しているか」の通知が届き、さらに無視してしまうと、法務局で職権でみなし解散の登記がされてしまいます。
役員変更登記は変更してから2週間以内にする必要があるので、役員選任決議をしたら、速やかに役員変更登記をするようにしてください。
同じ人が定時株主総会で引き続き選任され、同日就任承諾した場合の登記原因は「重任」となります。
まとめ
今回のブログのまとめ
・会社設立段階で、取締役の任期がいつ満了するかを把握する
・任期が満了した場合、定時株主総会で役員改選決議を行う 同じ人が取締役になる場合も忘れずに行うこと
・同じ人が役員に再戦された場合でも、取締役の変更登記(重任登記)が必要
今回は
『役員変更登記 会社設立後最初に到来する任期満了時はいつなの?〔小さな会社の企業法務〕』
に関する内容でした。
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