遺留分って何?知らないと相続が始まったときに問題となります!司法書士・行政書士が解説!
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
遺言書や贈与するに際して考慮しないといけないこと。
それは「遺留分」について
これを知らないと、相続について厄介な問題があとで起きます。
でも「遺留分って大事で聞いたことはあるが、いまいちイメージがつかない」という方も多いでしょう。
遺留分ってどんな制度なのかも含めて今回はざっくりと解説していきます。
遺留分って何?知らないと相続が始まったときに問題となります!
遺留分制度の趣旨ってなに?
そもそも「遺留分」ということばは聞いたことがあるけど、実際の中身は知らない方が多いです。
まずは「遺留分」の定義と趣旨から書いていきます。
遺言で、相続財産の全部を子供や第三者にわたす旨の内容だった場合、他の相続人は、何も財産を受け取れなくなります。
そうなると、せっかく亡くなった人の財産を増やすことに協力したのに自分たちには財産を渡さないのは不公平だということになります。
そこで、一定程度の割合で、財産を渡した人から、自分にも権利があるからよこせと言うのが「遺留分」制度です。
最近の民法改正で、遺留分制度はかなり改正された部分ではあるので注意しなければなりません。
遺留分を算定するための財産の価額が変わった
最近の相続法改正で大きく変わったところの一つに、遺留分を算定するための財産の価額の計算方法があります。
基本は相続開始時の額に贈与した額を足して相続債務を引いた金額が価額となります。
贈与した額については期限と金額の制限があります。
第三者に贈与した場合は相続開始前1年以内にしたものに限り加算でき、相続人に贈与した場合は、結婚や養子縁組のため、または生計の資本として受けた贈与に限り相続開始10年前にしたものが対象になります。
なので、上記条件に当てはまらない贈与については、遺留分を算出するための額には加わらないことになります。
遺留分減殺請求から遺留分侵害請求に
法律用語と法的性質が変わったのも今回の遺留分の改正では大きいところです。
今までは、物権的請求権の性質を有する「遺留分減殺請求」ということで、遺留分の保全に必要な限度で遺贈や贈与を失効させる強い制度でした。
しかし、今度の「遺留分侵害請求」は金銭債権で行われるので、従前のように遺贈や贈与を失効させることができなくなりました。
変わっていない改正部分 遺留分額の算定
遺留分の算定ルールは以前と変わっていません。
兄弟姉妹には遺留分はないのは、従前どおりなので、推定相続人が兄弟姉妹しかいない場合は遺言を作成する実益は大きいです。
遺留分の額(総体的遺留分)は、直系尊属のみが相続人である場合は3分の1、それ以外は2分の1となっているのも変わっていません。
相続人が複数いる場合の個別的遺留分は総体的遺留分率に各自の法定相続分をかけた割合になります。
遺留分制度がなくならないかぎり相続の争いは絶えない
結局、被相続人の財産を相続人にわたすことを維持するための遺留分制度。
この制度がなくならない限り、被相続人は思うような財産の分配をすることができない状態になります。
「付言事項」を遺言書に残すことで回避はできますが、それでも付言事項に書いたことを実行されることは実際難しいところもあります。
結局遺留分制度があるがために、なかなか遺言書に着手できないという方もいるのが事実。
この制度がなくならないと相続の争いは消えません。
まとめ
相続の問題は、より複雑にややこしくなってきている感じがします。
とくに「遺留分」の問題は、遺言を書く上でも相続全体の問題です。
些細なことでも自分のことでも親のことでも「相続」に関する悩みがあれば司法書士に相談してみてください。
今回は
『遺留分って何?知らないと相続が始まったときに問題となります!司法書士・行政書士が解説!』
に関する内容でした。
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