役員の任期の確認 設立してから10年経過している会社は要チェック
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
平成18年5月から会社法が施行されました。
それに伴い、ひとり株式会社の設立ができるようになり、役員の任期も最大で10年に伸ばすことができるようになりました。
10年経過したら、必ず役員改選の登記が必要ですが、結構見落としている方も多いのが現実。
3月決算の会社も多いことから、もう一度役員の任期の確認をしておきましょう。
役員の任期の確認 設立してから10年経過している会社は要チェック
役員の任期の確認の仕方は?
まずは自分の会社の定款と登記事項証明書を用意します。
その上で登記事項証明書で会社設立の年月日を確認します。
次に定款で取締役の任期の規定と決算期を確認します。
定款で取締役の任期が
「選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとする」
となっているかを確認します。
例えば、平成23年4月3日設立で、3月決算の会社の場合、任期満了となるのは令和3年3月決算期に関する定時株主総会終結の時までとなります。
なので、令和3年5月の定時株主総会で計算書類の承認等とともに、役員改選の決議が必要となります。
役員変更の登記を失念してしまうと…
役員変更の決議をしたら、2週間以内に登記申請を行う必要があります。
そもそもひとり株式会社の場合は定時株主総会をしていない会社も多く、役員改選しないまま10年が経過してしまうことが多々あります。
なので、気づいた時点で速やかに臨時株主総会を開催し、役員改選決議を行ってください。
ひとり株式会社であれば、書面決議を活用する手もあります。
遅れれば遅れるほど、過料の金額が大きくなります。
さらにリスクが高まることとして、最後の登記をしてから12年が経過すると、法務局で自動的にみなし解散の登記がされてしまいます。
みなし解散の登記がされてしまうと、会社の登記簿にものり、たとえ継続したとしても、コンプライアンスの観点からこの会社社歴はあるが大丈夫かと思われてしまいます。
定時株主総会で役員改選を失念した場合の登記手続にも注意
また、定時株主総会で改選を失念し、後日臨時株主総会で役員改選決議をした場合、登記申請にも注意が必要です。
定時株主総会で役員改選して同じ人が選ばれているのであれば「重任」とできます。
しかし、定時株主総会を失念して、後日の臨時株主総会で選任した場合は、定時株主総会の満了日をもって「退任」、臨時株主総会開催時の日付で「就任」としなければなりません。
「退任」と「就任」の間の日付が登記簿で見ると空いてしまっているように見えるので注意です。
これは許認可とかで影響が出るところですので注意してください。
まとめ
意外と役員改選に関してもややこしい論点が多いです。
わからないことがございましたら、当職までご相談ください。
今回は
『役員の任期の確認 設立してから10年経過している会社は要チェック』
に関する内容でした。
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参考書籍
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