東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
私のブログをご覧の方で「過料」とか「登記懈怠」とかという言葉を目にすると思います。
実際登記申請をしなければならないのに遅れてしまった場合、過料となります。
一体「過料」とはどういうものなのか、ざっくり紹介します。
商業登記 登記の申請が法律の規定よりも後で申請した場合どうなるのか?
商業登記 申請はいつまでにしなければならないか?
登記簿に記載されている内容を変更した場合、変更してから原則2週間以内に申請する必要があります。
会社設立の場合は登記申請日が効力発生日なので、その日に合わせて手続をすればいいですが、一部の登記を除いては「2週間」が基準になります。
登記事項の内容を変更しているにもかかわらず、放ったらかしにしてしまうと、申請を怠ったことになってしまい、「過料」の対象になってしまいます。
どのくらいの期間登記申請を怠ると「過料」になるのか?
そもそもなぜ登記懈怠が起こるのかというと、本来申請しなければならない登記を失念していたりするケースが大部分です。
例えば役員の任期を数え間違えて、本来任期満了しているにもかかわらず、役員を選ぶのを失念していて、その結果登記申請をしていない場合があります。
あとは、役員の誰かが亡くなっているにもかかわらず登記申請していない場合も該当します。
いずれの場合も、気づいた地点で速やかに対処しないといけませんが、ではどのくらいの期間がすぎると「過料」の対象となるのか。
実は法務局のさじ加減で決まってしまうことが多いので分かりません。
いろいろなところから話を聞いていると、3ヶ月登記が遅れたら過料の通知が来たことを耳にしたことがあります。
なので、登記簿に記載してある内容が異なる場合、速やかに登記手続きをしないといけないことになります。
キーワードは「変更してから2週間以内」です。
過料はどこから来てどのくらいの金額を支払う必要があるのか?
まずは過料の通知ですが、法務局から来ると思っている人が多いでしょうが、実際は裁判所から過料の通知が来ます。
法務局から裁判所に通知し、裁判所から通知がなされます。
しかも、会社に来るわけではなく、代表取締役個人のところに過料の通知が来ます。
過料ですが、会社法では100万円が上限です。
実際にどのくらいの過料になるか、これも公表されていないので正直分かりません。
ただ商業登記の申請に遅れた日が長ければ長いほど過料の額が大きくなることは間違いありません。
下手すると10万円とか20万円とかかかってしまうこともあります。
さらに、代表者個人に通知が来る過料については会社の経費にすることができないので注意が必要です。
まとめ
いずれにしても、登記すべき事項に変更があったら速やかに書類を準備して登記申請する、役員の任期をしっかり把握することが大事。
あとは、3か月ごととかに履歴事項全部証明書を取得して登記事項に変更がないか確認することをおすすめします。
今回は
『商業登記 登記の申請が法律の規定よりも遅れて申請した場合どうなるのか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
役員変更の選任懈怠を回避するにはどうすればいいのか、こちらはひとり株式会社の経営者は必読です!
選任懈怠・登記懈怠についてはこちらのブログを御覧ください。
参考書籍
商業登記ハンドブック第3版
松井信憲 商事法務 2015年05月20日
|