東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
前回のブログで「選任懈怠」「登記懈怠」について書きました。
(詳しくは「あわせて読みたい」で御覧ください。)
選任懈怠や登記懈怠は過料の対象となるので注意が必要です。
では、それを回避するにはどうすればいいか今回は書きます。
株式会社の登記「選任懈怠」「登記懈怠」を回避するには?
毎年定時株主総会を開催する
どの株式会社の定款でも、事業年度終了後3カ月以内に定時株主総会を開催する旨の記載はあるはずです。
実際には税務署に法人の確定申告を事業年度末日から2カ月以内に提出する必要があります。
貸借対照表・損益計算書等の計算書類の承認は株主総会で行われるため、必然的に開く必要があるのです。
なので、株主ひとりであっても、必ず定時株主総会を開催してください。
ひとり株主であれば、会社法第319条・320条のみなし総会、報告の省略も視野にいれるべきでしょう。
定款で取締役の任期を把握しておく
会社設立当時から、自分の任期が何時までなのかは把握する必要があります。
しかし、事業のことで自分の任期が何時までなのか忘れてしまいがち。
顧問税理士がいればいいのですが、税理士も取締役の任期までは把握できず、任期が長いと顧問契約も任期途中で解約もありえます。
そうなると、ますます自分の役員任期が把握できなくなります。
常日頃から自分の会社の定款や登記簿で確認するように努めてください。
会社設立を依頼した司法書士に任期の管理をお願いするのも一考です。
任期途中での任期伸長や事業年度の変更に注意
例えば、任期が2年の会社が、任期満了時の定時株主総会で、任期を10年に伸長することがあります。
また、任期の途中で、親会社等の都合で事業年度を変えることもあります。
その場合は、役員の任期に影響が出ますので、その決議をした株主総会議事録を必ず保管するようにしてください。
というか、株主総会議事録は保管義務があるのでこれは必須です。
あと、定款も該当部分を含め修正してください。
古い定款のままだと、定款変更したことを見逃してしまい、事業年度も変更前のままで役員変更登記をすることにもなり、齟齬が生じてしまうからです。
定款変更したら、定款を直す。
これも忘れてはならない作業です。
まとめ
「選任懈怠」「登記懈怠」を防ぐ方法を自分なりに書きました。
登記を放置してしまうと、みなし解散になることもあるので、十分注意してください。
今回は
『役員変更登記「選任懈怠」「登記懈怠」を回避する方法は?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
「選任懈怠」「登記懈怠」についてはこちらのブログをお読みください。
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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