本店や代表取締役の住所の表記 簡易の表記でもいいのか?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
司法書士業務や行政書士業務をやっていると、細かいところに目がいってしまいます。
特に気を使うのは氏名と住所。
特に住所については地番か住居表示かで表記が異なってきます。
今回は「登記の住所」に焦点をあてて書いていきます。
本店や代表取締役の住所の表記 簡易の表記でもいいのか?
「住所」は正確に登記簿に反映させないといけないか?
不動産登記や商業登記で住所や本店は登記簿に反映されます。
その際に正確に記載しなければならないでしょうか。
原則は住民票に記載されているとおりに表記します。
なので、不動産登記の場合は、所有権を取得する際は個人の場合は住民票を添付しますので、住民票に記載してあるとおりに表記して出せば問題ありません。
問題は法人の場合。
実は法人の場合、会社法人等番号を示せば登記簿謄本の添付は不要です。
となると、商業登記簿謄本の本店がどのように記載してあるかで変わってきます。
詳細は後述します。
簡略化した表記でも問題ないのか
本来であれば「一丁目2番3号」であるところを「1-2-3」のように本店の表記が商業登記で認められるかという問題です。
商業登記では上記簡略の方法でも、登記申請は受理されています。
さらに住居表示が実施ていない地域で、本来は「1丁目2番地3」が正しいところ「1丁目2番3号」で登記してしまうと、登記申請は受理されてしまい、登記簿には正確な本店所在地が表記されないことがあります。
実際に私も、実際は会社の本店所在地が住居表示地域でない(「1丁目2番地の3」のように表記する地域)にも関わらず、「一丁目2番3号」で登記されていてびっくりしたことがあります。
本店所在地の表記のところは、もう少し神経質になったほうがいいのではないかと思いました。
私の場合、本店や住所の表記については、役所に確認した上で登記をすることが多いです。
不動産の法人所有の場合の住所表記はどうなるのか?
話をもとに戻して、法人が不動産を取得した場合、所有者としての本店表記ですが、商業登記簿に合わせて表記されます。
なので、商業登記簿に本店所在地が「1-2-3」と登記されていれば、不動産登記も「1-2-3」と表記されます。
これはシステム上のことなので、正確な住所表記を不動産登記で変えることはできないようです。
これも私が実際に経験していて、管轄法務局に確認しましたが、簡易表記で本店所在地の登記がされている以上、不動産も商業登記に合わせるとの指摘でした。
代表取締役の住所表記どうか?
登記申請の際、新たに取締役を選任し、代表取締役を選ぶ場合、印鑑証明書を添付することがあるので、正確な住所表記は可能です。
その後代表取締役の住所が変わった場合、登記申請は住所変更をしたことを証する書面は添付しないので、申請書に簡易表記で申請があれば、登記はそれで受理されてしまいます。
ここも注意しないといけないところです。
まとめ
本店所在地や住所を登記簿に記載する場合は、簡易表記にするか、正確に載せるかは慎重に判断されることをおすすめします。
私は、登記簿に記載する住所は、正確なものを表記すべきであると考えます。
今回は
『本店や代表取締役の住所の表記 簡易の表記でもいいのか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
コロナの影響で本店所在地をどうすればいいかについては、こちらのブログも御覧ください。
参考書籍
商業登記ハンドブック第3版 | ||||
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