小さな会社の企業法務 2020年株主総会で気をつけないといけないことは?役員変更に関する続編
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
中小零細企業の株主総会。
今年は新型コロナウイルスの影響で、様々な手段を講じないといけない企業も多くあります。
中小零細企業の場合は、大企業と異なり、株主総会開催にはさほど問題はないかもしれません。
ただ、これは知っておくといいことが法務省のホームページに上がっていますので、参考になるかと思いますので紹介します。
小さな会社の企業法務 2020年株主総会をどう開催するか?
定時株主総会の開催について
2020年は新型コロナウイルスの影響及び緊急事態宣言の延長で、定時株主総会の開催が悩ましい問題として上がっています。
多くの会社の定款では、定時株主総会は事業年度末日から3ヶ月以内に招集すると定めてあります。
ただし、法人税の申告期限が事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内となっているため、原則は株主総会も事業年度翌日から2ヶ月以内にしなければなりません。
しかし、定款で定時株主総会の招集を3ヶ月以内と定めていれば、申告期間の特例を受けることが可能です。
今年に限って言えば、申告期限の延長が使えるかどうかを税理士に確認するのもありです。
また、2020年に限って言えば、今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるものと考えられます。
合理的な期間がどのくらいかは未知数ですが、緊急事態宣言が5月末に解消し、6月総会開催が厳しい場合、7月にずらすとかであれば合理的な期間内と思われます。
役員の任期はどうなるのか?
通常の場合、事業年度終了後3ヶ月以内に定時株主総会を開催し、役員改選決議を行います。
例えば3月決算の会社で、6月末に定時株主総会を開催せず、7月20日に株主総会をして、役員改選決議をし再任された場合の登記の扱いが問題になります。
登記実務では、上記の例の場合「令和○年6月30日退任」「令和○年7月20日就任」となり、重任の旨は記載できません。
しかし、本年に関しては、以下の扱いが認められる方向です。
改選期にある役員(任期の末日が定時株主総会の終結の時までとされている取締役、会計参与及び監査役)及び会計監査人の任期については、定時株主総会を開催することができない状況が解消された後、合理的な期間内に開催された定時株主総会の終結の時までとなるものと考えられます。
(法務省:商業・法人登記事務に関するQ&Aより)
上記の例で、6月に定時株主総会を諸事情で開催できず、7月20日に定時株主総会を行い、役員改選で再任された場合、登記は「令和2年7月20日重任」としていいという扱いになります。
まとめ
継続会の場合の扱いとか、本年役員改選のある株式会社は注意しておく必要があります。
詳しくはこちらの法務省の資料を御覧ください。
今回は
『小さな会社の企業法務 2020年株主総会で気をつけないといけないことは?役員変更に関する続編』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
小さな会社の企業法務に関するブログはこちらから
小さな会社の企業法務 2020年株主総会で気をつけないといけないことは? | 司法書士行政書士きりがやブログ(きりログ)
参考書籍
改訂増補版 ケース別 株式会社・有限会社の役員変更登記の手続 | ||||
|