定款を提示してほしいと求められた!条項を変えているのに定款記載は放置している場合の対処法は?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
最近、このような質問が来ました。
融資を受ける際に定款を添付してほしい。ただ内容が変わっているので、どうすればいいかが分からない
実際に設立当初の定款のままで、定款変更をしているにも関わらずそのまま設立当初の定款のままの中小零細企業が多いです。
もし、そのような会社が定款を求められたとき、どのように対処すればいいのかをまとめました。
定款を提示してほしいと求められた!どのように対処すればいいのか?
定款が設立当初のままの場合の対処法
おそらく中小零細企業の多くは、目的など実際に変えているにも関わらず、定款を現状に合わせていない。
そこで、金融機関から融資を受ける際に定款を求められて慌ててしまうというケースが散見されます。
本来であれば、目的も現在にあわせた定款を準備しなければなりません。
しかし、定款変更しているにも関わらず、定款が設立当初のまま書き換えていない場合、どうしたらいいのか。
仕方ないので、保管してある定款と、定款変更決議した議事録を提示するしかないと思われます。
定款変更決議は株主総会で行う必要があり、その議事録は会社に保管してあるはずなので、定款と議事録を持参すれば、現在の会社の状況が把握できます。
なるべく現行定款に合わせることが重要
しかし、会社法施行された平成18年5月1日以前に設立している会社の場合は、設立当初の定款だとまずい場合があります。
実は定款には書かれていないが、定款のみなし事項となっているものが多くあります。
あと、古い定款を金融機関の担当者に見せても、あまりいい印象を与えない場合があります。
先程も触れましたが、定款変更したら、それに合わせて定款を訂正するということも重要です。
事例として多いのは、以下の例があります。
・任期を変えたにも関わらず、古いまま
・事業年度を変えたにもかからず、前の事業年度のまま
古い定款を現行定款にする方法は?
定款変更しているにも関わらず、設立当初の定款しか残っていなければ、議事録と登記事項証明書を照らし合わせながら現行定款に引直を行います。
先程も書きましたが、平成18年5月1日以前に設立した株式会社や特例有限会社の場合は、用語が異なっていたり、みなし規定があったりするので、条項追加なり削除する必要があります。
場合によっては、株主総会で定款変更決議しなければならないこともあるので、注意してください。
許認可申請の際にも注意が…
定款の提示を求められる場合として、金融機関の他、許認可申請の場合もあります。
許認可申請の場合、定款の条項を変更しているにも関わらず、古い定款を添付すると、議事録提示を求められることがあります。
なので、設立後定款をそのままにしていている会社で定款変更決議をしている場合には、許認可申請の場合には株主総会議事録も用意しておくといいでしょう。
まとめ
もしあなたの会社の定款が設立当初のままで、変更条項があったにも関わらずそのまま放置されている場合は、現行の内容にすることをおすすめします。
ご不明点があれば、司法書士にご相談ください。
今回は
『定款を提示してほしいと求められた!条項を変えているのに定款記載は放置している場合の対処法は?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
議事録を登記で使用する場合にはどこに気をつければいいのか。詳しくはこちらから
株主総会議事録や取締役会議事録 登記で使用する場合に気をつけることは? | 司法書士行政書士きりがやブログ(きりログ)
参考書籍
会社法定款事例集第3版 | ||||
|