法人の印鑑提出が廃止になったら何か影響は出るのだろうか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
会社法の一部改正の法案が秋の国会に提出されました。
関連事項として、設立登記でオンライン申請した際に、会社実印の届出(印鑑届出)をしなくてもいいという扱いがされる可能性があります。
印鑑届出をしなくていいとなると、いろいろなところに影響が出そうな気がするのですが、どんなところに影響が出そうか書きました。
私見を交えて書いてある点をご承知おきください。
法人の印鑑提出が廃止になったら何か影響は出るのだろうか?
役員変更登記で影響が出るのではないか?
代表取締役を選ぶ際に、議事録(互選書)などには会社実印を押印する必要があります。
会社実印を押印できない場合は、取締役全員の実印と印鑑証明書を添付する必要があります。
もし、印鑑届出していないと、法務局では会社実印を照合できないため、取締役全員の電子署名もしくは取締役全員が実印押印し、印鑑証明書を添付する必要があるように思われます。
印鑑届出を廃止する際、商業登記規則も改正しなければならないということになり、意外と現場では混乱しそうな気がします。
関連して、代表取締役が辞任する場合は、現行は、印鑑届出している代表取締役が辞任する場合は、辞任届に会社実印を押印して行います。
辞任届に会社実印を押印できない場合には個人実印と印鑑証明書を添付することになります。
やはり、電子署名できないと行けない時代になるのかと思いました。
なお、会社設立登記を書面で申請する場合は、印鑑届書の提出は必要であることになる予定で、印鑑制度そのものは維持されつつあるようです。
印鑑がなくなるときになることは?
最近、契約書については、電子署名で決済するところが増えているようです。
となると、着実にペーパーレスの時代に来ているという気がします。
AIが進むと企業法務のあり方そのものが変わってくるように感じます。
電子署名を会社の役員は取得する必要がでていると感じています。
今は印鑑が主流だったのが、電子署名の時代へと変化しつつあります。
自分も企業法務の分野において、AIが進むものとそうでないものを見極めて行かないといけないと感じています。
まとめ
法人の印鑑制度がどう変わるのか、正直注目しつつ、実務でも対応していかないといけないと思われます。
中小零細企業でも電子署名化は無視できないことになりそうです。
今回は
『法人の印鑑提出が廃止になったら何か影響は出るのだろうか?[小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。
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