会社設立がより迅速化へ!印鑑が必要なくなる?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
先日のYahooニュースでこんな記事がありました。
会社設立、24時間以内に=印鑑届け出省略で迅速化-法務省(時事通信社記事より)
会社設立を早めることを主眼としていますが、なにか問題があるのでしょうか。
また、印鑑は本当になるなるのでしょうか。
会社設立がより迅速化へ!印鑑が必要なくなる?
今回の法務省の方針は?
とにかく最近は登記申請に際してもオンライン化に力を入れている法務省や法務局。
より手続きをオンラインで終わらせたい思惑が垣間見えます。
そして、マイナンバーカードの活用も視野に入れています。。
マイナンバーカードにより社会保険や税などの手続きに必要な個人データを確認するシステムと、会社設立の手続きを連結させる。株式会社の場合、設立登記とは別に定款の認証が必要となるが、ともにマイナンバーカードの電子証明書を利用することで一括申請できるようになる。
(Yahooニュース 時事通信社のものを抜粋)
さらには、電子証明書を印鑑提出とみなして、設立登記では印鑑提出を不要とすることも盛り込んでます。
会社設立の迅速化を図ることで、24時間以内に申請と完了まで持っていくのが今回の法務省の思惑です。
会社設立 法務省の方針に問題はあるのか?
商業登記申請は、会社設立の他にも、役員変更なり募集株式の発行、合併など様々な申請があります。
会社設立以外の登記申請は迅速化しないのかが大いなる疑問です。
結局は登記申請が終わらないと履歴事項全部証明書などが取得できず、他の手続きに移行できない、会社設立だけ優遇していいのでしょうか。
あと、マイナンバーカードと紐付けして様々な取り組みをしようとしているところには評価できます。
しかし、現状のマイナンバーカードの取得率の低さが課題で、どれだけ今後普及できるのかが疑問です。
そして、最大の問題は印鑑の提出の不要。
電子証明書をどのような方法で取得するのか、今後他の商業登記申請でどうするのかは考えていかないといけません。
他にも商業登記を申請する必要があり、電子証明書を利用するとなると、設立の段階で電子証明書のソフト等のコストがかかります。
あと、印鑑の提出が不要と言っても、日本の契約書は未だ紙媒体が多く、会社実印も必要なこともあります。
不動産登記でも、所有権の登記義務者の場合、印鑑証明書が必要ですが、そのあたりはどうなるのでしょうか。
会社設立の迅速化のためだけの視点で考えるのはどうかと思うのです。
会社設立迅速化で重要なこと 会社設立前に会社をどうしたいかをじっくり考える
設立登記自体は早く進むことができるのはいいことです。
なので、会社設立の前段階がより重要になってきます。
自分の会社をどうしたいのか、規模なり将来の資金調達など設立前に様々考えることがより重要になります。
特に定款は、自分の会社とあった内容にしていくことがより求められる時代になります。
単なる雛形定款で会社を設立しても、会社設立件数増加だと差別化をはかることができません。
まとめ
法務省がオンライン化に向けて相当気合が入っているのがわかります。
ただ、実際に稼働するのは当分先みたいですが…
今回は
『会社設立がより迅速化へ!印鑑が必要なくなる?[ひとり会社の設立]』
に関する内容でした。
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