東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
不動産登記・商業登記を申請する際、内容を裏付ける書面で様々なものを添付します。
添付書面となる根拠は法令や通達などで決まっています。
今回は「住民票」を添付する場合を不動産登記・商業登記に分けて紹介します。
不動産登記・商業登記で住民票を添付書面とする場合は?
住民票の添付 不動産登記の場合
不動産登記で住民票を添付する場合は、個人が土地や建物を取得する場合です。
具体的な登記申請としては
・建物を新築した際の所有権保存登記
・不動産を購入した場合の所有権移転登記
・相続で不動産を取得した場合の所有権移転登記
などです。(他にも財産分与とか贈与とかで不動産をもらった場合ももらった方は住民票を添付します。)
なお、相続登記では、亡くなった方の最後の住所が登記簿とつながっているかを示すため、「住民票の除票」が必要です。
さらに、相続登記で所有権を取得する場合、住民票が必要ですが、本籍地が入ったものを取得する必要があります。
これは、相続登記で戸籍謄本を添付します。
しかし、戸籍謄本では住所は記載されません。
そこで、住民票に本籍が記載されたものを取得することで、戸籍謄本に記載される本籍と同一人物であるかを証明するため、住民票は本籍地入りのものを取得します。
あと、住民票を添付する場合として、所有権登記名義人表示変更登記があります。
例えば不動産を売却したり、担保権を抹消するとき、現在の住所と登記簿上の住所が異なる場合、所有権登記名義人表示変更登記(住所変更登記)が必要です、
そのときにも住民票は、登記簿上の住所と現在の住所のつながる住民票が必要です。
現在の住民票で住所がつながらない場合は、本籍地入りの住民票の添付の他に戸籍の附票が必要です。
住民票の添付 商業登記の場合
商業登記で住民票を添付する場合は、監査役と取締役会設置会社の取締役が新たに就任する場合の「本人確認証明書」があります。
「本人確認証明書」は住民票のほか、運転免許証の写しでも構わないので、必ずしも住民票である必要はありません。
それ以外に商業登記で住民票を添付することはありません。
登記簿に記載されている代表取締役等の住所が変わった場合に、住所変更登記が必要ですが、法務局には住民票を添付する必要はありません。
個人的には代表取締役等の住所変更には住民票を添付されるべきだと思っていますが・・・
代表取締役の住所変更等についてはこちらのブログを御覧ください。
住民票についての留意点と旧姓併記
住民票を添付する場合は、「マイナンバー」は記載不要です。
マイナンバーが記載されている住民票を添付すると法務局からマイナンバーなしの住民票に差し替えるよう指摘されます。
あと、2019年11月5日から、住民票に旧姓を併記できる扱いになると総務省から発表されました。
住民票の旧姓併記可能に、総務省 女性活躍で11月から(共同通信) – Yahoo!ニュース
登記実務においても、商業登記で取締役等の役員で旧姓を併記したい場合、戸籍謄本ではなく住民票で対応できる可能性があります、
不動産登記でも住民票の添付で扱いが変わるかもしれません。
まとめ
住民票の添付について、不動産登記・商業登記と分けて紹介しました。
また、2019年11月からの住民票の旧姓併記については扱いに注目です。
今回は
『不動産登記・商業登記で住民票を添付書面とする場合は?司法書士のおしごと日記』
に関する内容でした。
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