会社の本店所在地の登記 コワーキングスペースを本店所在地としていいの?

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。

はじめに

会社の本店所在地、何か特段決まりでも
あるのでしょうか?


会社設立の時、よく本店はどこがいいか
聞かれることがあります。


最初は自宅を本店にする起業家、
事務所を借りて事務所にする起業家など
様々います。


最近はバーチャルオフィスとか
コワーキングスペースとか実際に事務所が
ない場合も登場してきています。


そういう場所を本店所在地にすることが
できるのでしょうか?

会社の本店所在地の登記 コワーキングスペースを本店所在地としていいの?


会社の本店所在地どこに置いてもいいの?


会社の本店所在地について、
会社法では別段どこに置かないと
いけないとかの定めはありません。


結局は日本国内であれば
どこにおいてもいいことになります。


会社の本店所在地が本当に
ここにあることを証する賃貸借契約書の
写しだとか、そういう書面は
会社設立登記の際要求されていません。


逆に建設業等の許認可を申請する際は、
実際に事業所が本当に実在しているかを
証するため、事務所内の写真や
賃貸借契約書等の書面が必要です。


会社設立の登記申請の際は、
本店所在地についての考えは非常に緩やかです。

そもそもコワーキングスペースとは?


最近はインターネットの普及により、
どこでも仕事が出来る環境にあるため、
いわゆるコワーキングも流行っています。


そもそも「コワーキングスペース」って
何でしょうか?

コワーキング – Wikipedia

ウィキペディアの定義によると、
コワーキングスペースは個人では
個別の部屋を持たず
事務所や会議室などお互いにシェアしあう
場所のことを指すようです。


コワーキングスペースを本店所在地にできるのか?


先程も書きましたが、会社法では、
本店所在地について特段制限が無いため、
コワーキングスペースでも本店所在地に
することもできそうな感じがします。
 

実際コワーキングスペースを本店所在地として
登記可能と謳っているケースも有るようです。


しかし、この点につき、問題があるのでは
という指摘があります。


本来の「会社の本店」の意味は?

内藤先生のブログによると、
「本店」について以下のとおり定義しています。

「本店」は,会社の主たる事業所である。事業所であるというためには,所有,賃貸借又は使用貸借等に基づいて,会社が何らかの占有権限を有する場所である必要がある。


コワーキングスペースを本店所在地としていいか?


司法書士の内藤先生のブログを引用すると、

コワーキング・スペースの場合,利用者は,利用手数料を支払って使用しているだけで,何ら占有権限があるわけではない。私書箱を置いている場所上の空間を利用手数料を支払って使用しているだけに過ぎない。例えて言えば,ホテルの長期滞在宿泊者が,当該ホテルの所在場所を自らの会社の本店であるとして登記をするようなものである。
したがって,このような「空間」を,会社の本店であるとして登記することは,不可というべきである。

として、コワーキングスペースを本店所在地として
登記することを否定
しています。


私も内藤先生のブログに同意します。


コワーキングスペースはあくまでも
利用しているだけであって、
本店としての要件を欠いています。


ノマドワーカーで、どこで仕事しようと、
実際に自分が占有している場所を
本店所在地とすべきだと思います。


もし、そういう場所を確保していないので
あれば、自宅を本店にするしか
ないでしょう。

コワーキングスペースだと、
ただ単に場所を提供しているにすぎません。


相手方との取引の際、
コワーキングスペースを本店所在地にしてしまうと、
本当にここで事業やっているのかということで、
相手からの信用も薄れるでしょう。

特に融資を受けて事業を受ける場合は、
なおさらコワーキングスペースを
本店所在地とすると、
金融機関も融資しづらいと思います。
 

融資担当者は、融資することが適切か否か
会社訪問するときがあります。


その時、コワーキングスペースだと
本当に融資をする気になるでしょうか?


なので、会社の本店はノマドワーカーであっても、
実際に自分が占有している場所を本店所在地
にすべきです。


コワーキングスペースを本店所在地として
登記すべきではないでしょう。
 

検閲業などの許認可申請の場合を受ける場合は、
コワーキングスペースだと申請はおりないだろうと
思われます。

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まとめ

副業とかで、本店所在地を自宅にしたくないとか、
ノマドワーカーだから本店はどこでもいい
いう意見もあるのは承知してます。


しかし、コワーキングスペースだと、
実際に本店を置いているわけではないし、
ただスペースを与えているにすぎません。


場合によっては、今後コワーキングスペースを
本店所在地として登記することができなくなる
時代が来るかもしれません。


そうなると、本店移転登記を余儀なくされ、
手続きが面倒になり、費用がかかります。


そもそも、ネットが発達しているからといって、
事務所自体を設けないというのも
取引の相手方からの信用性の問題もあります。

といっても今はスカイプなどで連絡は取り合えるし・・・


後々のトラブル防止のため、
実際に占有している場所を会社本店所在地として
登記申請すべきです。


その辺りを法務省当局も考えを出してほしいところです。


参考ブログ

コワーキングスペースと会社の本店 – 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

 

参考書籍

登記官からみた 株式会社設立登記の実務


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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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