発行可能株式総数とは何か?会社設立時にはどのくらい定めればいいか?

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。

はじめに

2018年7月1日、司法書士試験筆記試験がありました。
受験された皆様お疲れ様でした。

2018年の司法書士試験の商業登記の記述式試験では「譲渡制限と発行可能株式総数」の論点が出題されました。

会社設立時において、発行可能株式総数を定める必要がありますが、どのくらいの数を定める必要があるのでしょうか?

発行可能株式総数とは何か?どのくらい定めればいいのか?

発行可能株式総数とは?

発行可能株式総数とは、会社が発行する株式の最大限度のことをいいます。

会社設立のとき、原則定款に定めますが、定款に定めない場合は、会社の設立の登記までに、発起人全員の同意により定款で定める必要があります(会社法37条1項)。

実務では、定款で発行可能株式総数を定めることがほとんどで、発起人全員の同意で発行可能株式総数を決めることはほとんどしませんし、私はやったことがありません。

発行可能株式総数はどのくらい定めることができるのか?

会社設立時に置いては、株式を発行可能株式総数の最大値まで発行はしません。

発行株式は一部としておき、残余分は後日増資し募集株式発行する際に発行することになります。

さて、発行可能株式総数ですが、会社法113条3項で、以下のとおり規定されています。

第113条

3 定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

公開会社の場合は、発行済株式総数の4倍を超えて発行可能株式総数を定めることができません。

しかし、全部の株式に付き株式譲渡制限を設けているいわゆる非公開会社では、4倍規制の適用はありません。

なので、会社設立時に、1株1万円で100株発行し、発行可能株式総数を1,000株にすることも可能です。

ただ、会社設立時にあまりにも発行可能株式総数の数を多くしても意味はありませんので、あなたの会社が将来このくらい増資する予定があるくらいの発行可能株式総数を定めておくのがいいでしょう。

発行可能株式総数に関して注意すること

平成27年5月1日施行の改正会社法で、発行可能株式総数についてのいわゆる4倍ルールが強化されました。

  1. 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合
  2. 公開会社が株式の併合をする場合

以上の場合も発行可能株式総数は発行済株式総数の4倍を超えてはならないことになるので注意が必要です。

今回の司法書士試験では、1の部分が論点で出題されていたようです。

非公開会社が株式譲渡制限の旨を廃止し、公開会社になるに当たり、発行可能株式総数が発行済株式総数の4倍を超えることになり、別途発行可能株式総数の変更決議をしていないので、株式譲渡制限の廃止の登記はできないという内容でした。

特例有限会社での発行可能株式総数の注意点は?

平成18年の会社法改正で、特例有限会社でも株式の概念が出てきました。

そして、自動的に発行可能株式総数も登記事項に加わりました。

特例有限会社の発行可能株式総数の数は発行済株式総数の数と同数です。

なので、特例有限会社が増資し募集株式発行する際は、募集株式発行登記と同時に発行可能株式総数の定款変更決議をし、枠を増やす必要があります。

意外と盲点となるので注意が必要です。

まとめ

発行可能株式総数は会社設立時に必ず決めるもの。

非公開会社の場合は事由に発行可能株式総数を定めることができるので、自分の会社の身の丈にあった数を定めてください。

今回は
『発行可能株式総数とは何か?会社設立時にはどのくらい定めればいいか?』
に関する内容でした。

あわせて読みたい

会社の適正規模と身の丈にあわせて発行済株式総数を決めてくださいと書きましたが、資本金の額に見合った会社の目的にしないとこの会社何やっているのかわからなくなります。
こちらのブログもあわせて御覧ください。

あなたの会社は適正規模で経営していますか?資本金の額・目的・機関設計 

参考書籍

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