東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
わたしたちの生活には様々な法律が存在します。
司法書士試験には民法、商法・会社法をはじめ、不動産登記法、商業登記法など多くの科目が出題されます。
司法書士試験の科目には実体法と手続法とがありますが、そもそも実体法と手続法の違いは何か?
わかりやすく解説していきます。
司法書士試験の出題科目は何があるのか?
平成30年度の司法書士試験の出題科目は以下のとおりです。
なお、カッコ内の数字は出題数です。
- 憲法(3問)
- 民法(20問)
- 刑法(3問)
- 商法・会社法(9問)
- 民事訴訟法(5問)
- 民事執行法(1問)
- 民事保全法(1問)
- 司法書士法(1問)
- 供託法(3問)
- 不動産登記法(16問)
- 商業登記法(8問)
択一式試験の他に、不動産登記法、商業登記法の記述式が各1問ずつ出題されます。
司法書士試験の出題科目から見る実体法と手続法
司法書士試験の出題科目を見ると11科目もあり大変だと思うかもしれません。
実は一部の法律を除き、相互に法律が関連しているのです。
それを理解するためには、実体法と手続法の意味を理解する必要があります。
「実体法」とは法律関係それ自体の内容を定める法律をいいます。
なので実体法には基本的には要件と効果しか記載されていません。
一方「手続法」は、実体法が定める法律関係を実現するための手続を定めた法律をいいます。
民法や刑法、商法・会社法が「実体法」であるのに対し、民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・供託法・不動産登記法・商業登記法は「手続法」です。
実体法と手続法を具体例で考える
不動産の名義を相続を原因で変える場合
まず、相続開始の要件や相続人、相続分や遺産分割、遺言についての要件や効果は実体法である民法で規定されています。
それらの要件が整い、どんな書類が必要でどのように登記申請を行うかを定めているのが手続法の不動産登記法です。
会社設立登記を行う場合
会社設立をする場合、定款の記載事項や設立に関する要件を定めているのが実体法である会社法です。
一方、会社設立にはどのような書類が必要かが書かれているのが手続法である商業登記法です。
売掛金を回収する場合の実体法・手続法の関係は?
まずは、お金を貸し借りする要件・効果が書かれているのが民法です。
お金の貸し借りの要件が当てはまっているのか、証拠がきちんと整っているのか、裁判上の手続きを定めているのが民事訴訟法です。
さらに、裁判が確定したときに、財産を差し押さえたり回収したりする手続を定めているのが民事執行法です。
司法書士試験の勉強は実体法と手続法の両輪で理解する
司法書士試験の場合、最初に取り掛かる科目は民法です。
ただ、民法単独で勉強していてもピンと来ないことも多々あります。
そこで勉強が進んでいくと手続法である不動産登記法や民事訴訟法も勉強していくので、民法を絡ませながら学習していくのです。
そうすることで実体法と手続法双方の理解が促進されるのです。
一方会社法と商業登記法は実体法と手続法がリンクしていることが多いので、同時進行的に学習したほうが理解が早まると思います。
予備校でよく会社法と商業登記法とカリキュラムが分かれていますが、正直分けてやるよりかは同時にやったほうがいい気がします。
まとめ
実体法と手続法、司法書士試験の試験科目から紹介していきました。
理解の一助になれば幸いです。
今回は
『実体法と手続法は何が違うのか?司法書士試験の出題科目から』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
司法書士試験の過去問の勉強方法について書きましたので、こちらもぜひお読みください。司法書士試験の勉強では過去問は必須です!
参考書籍
司法書士の仕事 <第8版> (【こんなにおもしろい】)
山本 浩司 中央経済社 2016-10-08
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