なぜ私の株式会社が法務局の職権で解散登記が入れられたの?実は理由が・・・

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。

はじめに

ある会社の経営者が以下のことを言っていました。

私は平成16年7月に株式会社を設立しました。
しかし、先日登記事項証明書を取得したら「解散登記」が入っていました。
そんな登記をした覚えはないのに・・・

なぜ、その会社は見に覚えのない解散登記がされてしまったのでしょうか?

実はおそろしい「みなし解散」 法務局側で勝手に登記される

質問の会社の例ですが、本来平成18年に役員変更登記などするべきところ、それを放置してしまった。

なので、法務局で勝手に解散登記がされてしまったと思われます。

これを「みなし解散」といいます。

これは、最後に登記申請をしてから12年を経過してしまうと、法務局で会社に通知し、その通知を会社から回答しないと、法務局で解散登記をしてしまう制度です。

それを更に放置してしまうと、会社は自動的に消滅してしまう、実は恐ろしい制度なのです。

平成29年度ですが、法務大臣から以下の公告がされました。

1 法務大臣の公告(平成29年10月12日)について
平成29年10月12日(木)に法務大臣の公告がされました。
公告の内容は,次のとおりです。

○  最後の登記をしてから12年を経過している株式会社、又最後の登記をしてから5年を経過 している一般社団法人若しくは一般財団法人は,事業を廃止していないときは,「まだ事業を廃 止していない」旨の届出を管轄登記所にする必要がある
○  公告の日から2か月以内に(平成29年12月12日(火)までに)「まだ事業を廃止していない」 旨の届出がなく,また,登記の申請もされないときは,平成29年12月13日付けで解散したものとみなされる

(法務省のホームページより)

会社法には、以下の条文の定めがあります。

第472条
1.休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。
2.登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。

みなし解散の登記がされた場合はどうすればいいか?

もし、みなし解散の登記がされてしまった場合、まだ会社は続いているのでなんとかしたいという場合、どうすればいいのでしょうか?

(株式会社の継続)
第473条
株式会社は、第471条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第1項(=472条のみなし解散)の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定(みなし解散)により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。
※下線部は私が加筆したもの

みなし解散がされた日から3年以内であれば、株主総会の特別決議で会社を継続する決議をすれば、会社をみなし解散前の状態に戻すことができます。

継続決議をしたときは、そこから2週間以内に「継続」の登記申請を行う必要があります。

なお、継続登記の他に、清算人の登記など他に登記すべきことが多いので、自分でやるのは結構面倒です。

みなし解散されたあとに継続登記をする場合は、司法書士に相談することをおすすめします。

なお、平成29年の場合、みなし解散の日は12月13日なので、3年後の2020年12月13日までに会社を続けたいのであれば継続決議をした上で登記申請する必要があります。

なお、登記申請するということは、今まで登記懈怠も発生していますので、過料が発生することはご承知ください

平成18年5月以降株式会社を設立したあなた 役員変更は済んでいますか?

平成18年5月に会社法が施行されました。

株式会社においては、役員の任期は最大で10年に伸長されました。

実際、平成18年5月以降に設立したひとり株式会社やコンパクトな会社は役員の任期を10年にしているところがほとんどです。

任期が10年の場合、役員の改選時期は平成28年の定時総会のとき。

その時に役員改選決議をして登記までしていますか?

同じ役員のままだからといって登記をしないというのは間違い。

おそらく平成30年も休眠会社の整理をすると思われ、これらの会社が該当することになります。

自分の会社の履歴事項全部証明書を取得して、役員変更登記をしているか確認してください。

まとめ

会社法施行から12年が経過し、最後に役員変更登記をした年から10年を経過して、そのまま放置したために職権で解散になってしまう株式会社がかなりあるようです。

今年も休眠会社の整理は行われると思われ、平成18年5月以降に設立した株式会社も対象になる可能性があります。

もう一度自分の会社の履歴事項全部証明書を取得して確認してください。

登記をしていないのであれば速やかに役員変更登記をしてください。

それでも過料の対象になることもご承知ください。

今回は
『なぜ私の株式会社が法務局の職権で解散登記が入れられたの?実は理由が・・・』
に関する内容でした。

あわせて読みたい

役員変更 役員に変更がなくても登記手続きをする必要があります。こちらのブログもあわせて御覧ください。

ずっと取締役が同じであっても役員変更登記をしなければなりませんか? 

参考書籍

解散・倒産・非訟 (商業登記全書【第8巻】)

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
会社設立・企業法務・相続を得意としています。
趣味は鉄道(撮り鉄・乗り鉄両方です)・ランニングです。
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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