東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
会社設立の時に、定款に「公告をする方法」というのを定めますが、そもそも公告ってなんですか?
ある起業家の方からの質問です。
これから株式会社を設立するあなたが疑問に思うことのひとつに「公告」があります。
そもそも「公告」ってどんなものなのか、あなたの疑問にお答えします。
なぜ「公告」は必要なのか?
私のブログでも決算公告や法定公告の必要性をかなり書いています。
それでも会社を設立したいあなたにはピンとこないと思います。
そもそも「公告」はなぜする必要があるのか、そこをまず知る必要があります。
公告は、会社法に定めた、会社の重要な情報を株主や債権者などの第三者に開示するために必要なものです。
会社の重要な情報ならホームページで開示する方法がありますが、法律で定めた内容を開示する場合、ホームページの場合、諸手続きで費用がかかり、大会社でない限り面倒です。
そこで、多くの中小零細企業では公告方法を官報にしているのです。
法定公告とは何か 法定公告の種類は?
法定公告は、会社法その他の法令によって掲載することが義務付けられているものです。
なので、公告の内容は真実を正確に表現したものでなければなりません。
もし、虚偽や不正な公告をした場合には、公告としての効力は当然にはありません。
さらに、民事上、刑事上の責任を問われることもあります。
決算公告とか合併公告とか、公告を官報等で行うときは、内容や数字など間違いがないか注意して行ってください。
さて、会社法その他の法令で公告でするとなっていますが、この「法定公告」には2つの種類があることはご存知でしたか?
法定公告には、以下の2種類があります。
・必ず「官報」によらなければならない債権者に向けた異議申述等公告(合併公告、資本金や準備金の額の減少公告、解散公告など)
・定款上の公告方法によらなければならない株主等に向けた通知公告(株券提出公告・基準日設定公告など)及び決算公告
会社法で、公告方法については、以下のように規定されています。
第939条(公告方法)
1.会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告
2.外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
3.会社又は外国会社が第1項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
4.第1項又は第2項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第1項第一号の方法(官報に掲載する方法)とする。
さて、注意しなければならないこととして、債権者異議申述公告には、最終貸借対照表の開示状況を記載する必要があること。
いろいろなパターンがありますが、もし、債権者異議申述公告をするときに、最終貸借対照表を公告していなければ、それもあわせて公告することになります。
なお、解散公告については、別に最終貸借対照表の開示状況を記載する必要がありません。
まとめ
会社設立のときに「法定公告」はいかに重要であるか確認してください。
株式会社を設立すると、今後決算公告についてはきちんと行うようにする必要があるように感じます。
今回は
『これから株式会社を設立するあなたに知ってほしいこと 公告はどんな時に必要ですか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
中小零細企業では公告方法を官報にすることが多いです。なぜでしょうか?
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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株式会社の設立、商号・目的その他の変更 (商業登記全書)
神崎 満治郎 中央経済社 2008-03
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