東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
会社を設立してから10年で生き残るのは、ほんの数%。
こう言われることもあれば、会社の寿命は30年という考えもあります。
これからあなたが会社を設立するとき、会社として何年生き残れるかを意識しないといけなくなります。
その上で大事なのは「役員の任期」です。
会社設立後10年で生き残る会社は数%は本当か?
私が司法書士として独立開業して10年以上が経過しました。
設立当初から経営者が頑張って今でも発展し続けている会社は思った以上に多いです。
中には10年間、安定経営をし続けて、10年の役員任期が来たので、改選決議をしたという株式会社もあります。
私が感じていることは、コンパクト会社、例えば資本金が100万円台で取締役が1名の会社は、10年以上生き残っています。
その間に会社として紆余曲折を経ているところもあるでしょう。
なので、結論は10年で生き残るのは数%というのは私の感じでは違うと思います。
特にコンパクト会社では当てはまらないと思います。
会社の生き残りと役員の任期を改めて考える
私は、コンパクト会社で、取締役が1名であれば、任期は10年でもいいと思っています。
それは、意外と10年生き残っている会社が多いから。
それとは逆に、はじめから取締役が複数いて、それなりの規模の会社を設立するのであれば、任期を10年にするのはどうなのかと思います。
特に、共同経営で会社を設立するのであれば、取締役の任期は短めに設定すべきです。
さらに、会社設立当初から上場を目指すのであれば、会社法に規定のある任期2年毎にしたほうがいいです。
なぜ、任期を10年にするべきではないかというと、経営していく上で様々な問題に直面し、役員を変えるとき、トラブルになることが多いです。
最近では、任期10年の会社が任期を短縮させ、ある取締役の任期が切れた事例で裁判沙汰になり、会社の責任が問われたものもあります。
結論は、複数取締役がいる会社は会社設立時に任期は考慮したほうがいいでしょう。
なお、取締役の任期については個別に定款で定めることは認められています。
会社の寿命30年説に立った場合の役員任期は?
会社を設立してから30年というと、ちょうど次の世代にバトンタッチする時期と重なります。
そのことを踏まえて役員の任期を考えると、自分ひとりだけの会社であれば、会社設立当初は10年でいいでしょう。
ただ、会社の規模が大きくなり、取締役の人数が増えた場合は、役員の任期を見直すことも考慮すべきでしょう。
特に事業承継が絡んでくる場合、任期を10年にすると不都合が生じることもあります。
例えば後継者が取締役となったが、全く駄目だった場合、任期が10年だと、自分から辞めてもらわない限りずっと居続けることができてしまい、会社のためにはならないからです。
まとめ
会社の寿命から役員の任期を考える。
会社の規模に応じて役員の任期をどうするかは常に考慮したほうがいいでしょう。
役員の改選ごとに任期を見直すこともいいかもしれませんね。
今回は
『会社設立後10年で生き残る会社は数%は本当か?私の経験から役員の任期を考える』
に関する内容でした。
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参考書籍
内部統制と会社役員の法的責任 (関西学院大学研究叢書)
伊勢田道仁 中央経済社 2018-03-28
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