東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
登記事項に変更が生じた場合、変更してから2週間以内に登記を申請する必要があります。
意外と忘れがちなのは、株式会社の代表取締役の住所や氏名の変更登記。
特例有限会社だと取締役や監査役の住所変更も忘れがち。
ではどのように登記手続きをすればいいのでしょうか?
取締役等の住所変更や氏名変更の手続の方法
株式会社の代表取締役(特例有限会社の場合は取締役・監査役)が住所が変わった場合、住所変更登記をする必要があります。
ただ、地番変更を伴わない行政区画の変更については、法律上変更登記が擬制されているため、、会社に変更登記登記申請の義務はないとされています。
商業登記法
(行政区画等の変更)
第26条 行政区画、郡、区、市町村内の町若しくは字又はそれらの名称の変更があつたときは、その変更による登記があつたものとみなす。
また、取締役や監査役の氏名に変更があった場合も、変更の登記が必要です。
氏名変更は、婚姻や離婚、養子縁組、離縁が生じた場合が対象です。
登記申請する際の添付書面と登録免許税は?
まずは登録免許税ですが、資本金が1億円以下の場合は申請1件につき1万円、1億円を超える場合は3万円です。
(住居表示実施や行政区画変更等による住所変更の場合、証明書を添付すれば、登録免許税は不要です。)
添付書面ですが、司法書士に登記を委任する場合は委任状が必要ですが、それ以外の添付書面は不要です。
ただし、氏の変更登記申請と同時に婚姻前の氏をも登記するよう申出するときは、戸籍事項証明書など氏の変更がわかるものの書面が必要になります。
(登記手続きの方法は後述します。)
住民票なり変更を証する書面は不要ですが、実際に住所が変わった日とかが登記事項になり、取締役が実在しているのかをはっきりさせるためにも変更を証する書面が必要だと私は思っています。
重任登記と同時にする場合、氏名住所変更登記は必要か?
こちらについて、本来であれば、氏名住所変更登記とした上で、重任登記をするべきであるという考えがあります。
しかし、実務の扱いは、役員の一部が改選される場合、中間省略的に変更後の氏名または住所をもって重任の登記をすることができることになっています。
なお、この扱いについては、個人的にはどうかと思います。
というのも、この扱いは平成18年会社法施行前の扱いで、任期が10年まで伸長できるようになった以上、登記事項の公示の観点から、正確なものを示す必要があるように思います。
なお、添付書面については、氏名変更については戸籍謄抄本または住民票、住所変更については特段添付書面は不要です。
なお、ここの部分については、商業登記ハンドブック第3版422ページを参照しました。
役員欄への婚姻前の氏の記録について
登記申請書には、登記すべき事項として
平成30年6月1日取締役甲野花子の氏変更
氏名 乙野花子 (甲野花子)
の振合で記載した上で、婚姻前の氏の申し出も申請書に記載します。
添付書面は上記でも書きましたが、戸籍謄本等が必要になります。
まとめ
株式会社の取締役等に氏名・住所の変更があったら速やかに対応することが望ましいです。
役員改選時期が近ければ、変更後の氏名・住所をもって重任登記をすればいいかと思います。
過料の問題も絡み、このあたりはちょっとナーバスになりますが。。。
今回は
『株式会社 取締役などの氏名変更・住所変更 手続をどのようにすればいいか』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
今回「重任」の話が出てきましたが、役員再任の登記手続きについて、下記のブログで紹介していますので、あわせてご覧ください。
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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