東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
平成18年に会社法が施行されて10年が経過しました。
平成18年に会社を設立した場合、取締役の任期を10年にしている会社は、役員改選時期になります。
同じ人が続けて取締役を行う場合にも再度承認決議が必要です。
そこで、同じ人が引き続き取締役を行う場合の手続きについて書いていきます。
なお、今回は取締役会を置かない会社を想定しています。
取締役の再任 任期満了による選任決議
取締役を選任するのは、株主総会で行います。
再任についても株主総会で行います。
選任方法は、取締役を新たに選任する場合と同じで、原則普通決議で行います。
代表取締役の再任決議
取締役が1名の会社であれば、選任された取締役が自動的に代表取締役になります。
取締役が複数いる場合、一度取締役が任期満了となるため、代表取締役についても一度任期が切れます。
そこで、取締役の再任がきまったら、代表取締役も再任決議が必要となります。
取締役会を置かない会社の場合の代表取締役の選び方については、3つの方法があり、各会社の定款に記載されていますので確認してください。
- 定款で直接定める方法
- 株主総会で代表取締役を選ぶ方法
- 定款の規定に基づき取締役の互選で選ぶ方法
再任の際の登記手続の注意点は?
今まで、同じ人が役員として選ばれた場合「再任」と表記していました。
登記手続については、同じ人が選ばれた場合、登記原因は「年月日重任」となります。
「重任」は任期満了退任と就任が合わさったものと理解するといいでしょう。
ただ、注意していただきたいのは、本来任期満了による役員改選を行うはずの定時株主総会を開催せず、後日臨時株主総会で同じ人を選んだ場合の登記原因です。
この場合でも一応「再任」には当たります。
しかし、登記上は、本来定時株主総会を開催しなければならない日(定款では事業年度末日から3か月以内としている会社が多いです。)をもって任期が切れるので「年月日退任」とします。
そして、臨時株主総会で選任された日をもって「年月日就任」となります。
登記懈怠の問題とも絡んでくるので注意が必要です。
添付書面で注意することは?
取締役の選任登記と代表取締役の選定登記と原則同じです。
ただし、重任登記については、別途取締役の印鑑証明書は不要です。
就任承諾書に住所を記載するか否かについては、住所を記載する説と記載しない説がありますが、本人確認のこともあり記載することをおすすめします。
あと、代表取締役を取締役の互選で再任する場合には、互選書に代表取締役の会社実印を押印する必要があり定款が必要となるので注意してください。
まとめ
定款に記載された任期が満了したときは、同じ人が引き続き取締役になっても、登記申請は必要です。
登記を失念してしまうと・・・
今回は
『もう一度確認!役員再任の登記申請手続の方法は?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
今回は役員再任の決議と登記方法を書きました。ずっと同じ人が取締役になる場合でも、役員変更登記が必要です。その理由は?
ずっと取締役が同じであっても役員変更登記をしなければなりませんか?
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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改訂版 ケース別株式会社・有限会社の役員変更登記の手続
永渕 圭一 日本法令 2017-05-17
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