東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
最近「危機管理」が話題になっています。
私の出身大学日本大学がアメリカンフットボールで事件を起こし、危機管理能力がないとまで世間から言われています。
前監督とコーチの記者会見は、自分の保身に終始し、見ている第三者の印象を悪くしてしまいました。
さて、記者会見して、いい結果につながったものもあれば、最悪の結果になったものもあります。
特に「最悪」のものになったものを自分の知る範囲でまとめてみます。
私は日本大学法学部を卒業しています。
今回の前監督とコーチの隠蔽体質には甚だ憤りを感じています。
雪印集団食中毒事件の社長のひとこと
今でも危機管理で最悪の会見と言われている当時の社長の「そんなこと言ったってねぇ、わたしは寝ていないんだよ!!」の一言。
雪印集団食中毒事件から始まり、あの一言のあと牛肉偽装事件などグループの不祥事が明るみに出て、グループ解体を余儀なくされました。
結局記者会見の対応次第ではなんとかなったものが、隠蔽体質が続き、どんどん悪化していった典型例と言えるでしょう。
船場吉兆の母から息子へのひそひそ話会見
船場吉兆の賞味期限切れの食品の販売、産地偽造販売、客の食べ残しの再提供など不祥事が明るみに出ました。
最初は否定したものの、どんどん事態は悪い方向に進み、記者会見では、あのひそひそ話がマイクで拾われるなどさらにイメージが悪くなりました。
結局、船場吉兆は破産への道を歩むことになりました。
2つの記者会見から分かること
どちらも不祥事があったにもかかわらず否定したことで、事態が大きくなり、最悪の状態になっているのが双方の共通点。
はじめから悪いことを認めていればそこまで事態は悪化しなかったと思われます。
小さな嘘や不誠実な対応が、事態の悪化を深刻化させていく動きを見せるということ。
企業の不祥事対応の例として、参考になると思われます。
日本大学のイメージ悪化の懸念
先日の前監督とコーチの記者会見。
雪印集団食中毒事件の記者会見と似ているとの指摘がでています。
さらにイメージを悪くしたのは司会者の対応。
その前日に選手の記者会見が堂々としていたので、それとの比較で余計にダメっぷりが際立ったのでしょう。
いずれにしても、この記者会見は最悪の部類となったと言えます。
どうしてそこまで嘘やしらを切るのか分かりませんが、日本大学を取り巻く環境を悪化させたことにはかわりありません。
2人は自分の保身に終止しており、日本大学を取り巻く環境のことは全く考えていません。
それを肌で感じているのは日本大学の学生やOBの皆さん。
本当に肩身が重くなっています。
日本大学のイメージが回復するには相当な時間がかかるものと思われます。
お願い
ただ、この事件を起こしたのはアメリカンフットボール部であって、他の日本大学の学生やOB、教職員の方は全く関係ありません。
どうやら最近、一部の大人が、日本大学付属高校の生徒を傷つけるような言動をしたりしているとの投稿をみました。
アメリカンフットボールの事件を、全く関係ない日本大学の関係者が連帯責任責任すべきなのでしょうか?
私も今回の記者会見を含め、今の日本大学の隠蔽体質に大きな失念をしています。
しかし、全く関係ない学生にまで責任を及ぼしてはいけません。
全く関係ない学生等は傷つけてほしくない、大人の対応をしてほしいと願うばかりです。
まとめ
今の時代、悪いことを早めに出さないと事態は悪化する一方。
そうならないためにも初動でどう対処するかがより重要になりました。
今回の日本大学の対応は全く体をなしておらず、しかも「危機管理学部」がありながら何もできていないところに批判がくるのでしょう。
前監督とコーチがいち早く本当のことをいうことを願うばかりです。
今回は
『事態を悪化させる記者会見 世間は本当に厳しい目で見ています~日本大学の前監督・コーチの記者会見から』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
今回の危機管理の例は、中小企業の危機管理対策にも役に立つと思います。経営者の皆様は参考にするといいでしょう。
中小企業の危機管理対策~後手に回らないために 日本大学のアメリカンフットボールの事例をもとに
参考書籍
実践 企業法務入門―契約交渉の実際から債権回収まで
滝川 宜信 民事法研究会 2011-07-01
|