東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
株式会社東京商工リサーチが「2017年全国新設法事動向の調査」を公表しました。
ここから読み取れることをこれから起業したいあなた向けに紹介します。
新規設立法人が増加傾向
2017年の新設法人件数はおよそ13万2,000件。
2010年以降、新設法人数は8年連続増加中です。
これは、会社法や一般社団法人法が改正され、より法人が作りやすい環境が影響していると思われます。
今後はさらに、会社設立の簡素化や企業の副業解禁が相まってさらに新規法人設立件数は増加すると思われます。
当たり前ですが、副業で法人化を目指しても、本業を疎かにしてはいけません。
法人化するか否かは、本業との兼ね合いで決めるべきでしょう。
資本金については500万円未満の法人が増加
一般社団法人は資本金は関係ありませんが、株式会社や合同会社は資本金の額を決める必要があります。
私が携わる会社の多くは消費税課税事業者の対象になりたくない方が多いため、資本金の額は1,000万円未満が多いです。
さて、データをみると、意外と法人設立時に資本金の額が500万円未満の小規模法人が増加しているようです。
さらに資本金の額が100万円未満の会社も増加傾向に。
事業はコンパクトにとにかく法人化しようという動きがあるのでしょうか。
法人化すると節税になることもありますが、一人でも雇うと社会保険に加入しなければならず、会社負担も大きくなります。
法人化するほうが自分の事業にとってプラスになるのか、節税だけにとらわれないで法人化を考えることが大事です。
あと、法人設立に当たり、資本金が一定額ないと事業できないものや許認可のときに資本金の要件がある事業もあるので、注意してください。
新規設立法人「合同会社」が増加傾向
平成18年5月の会社法から新たに「合同会社」が設立できるようになりました。
最近、コンパクト事業を展開する会社で合同会社が増えてきています。
2017年は合同会社での設立件数が増え、合同会社の新規法人設立の構成比が20%を超えました。
合同会社は、設立時の定款認証が不要、登録免許税が株式会社と比べると安い、決算公告が不要など経営の自由度が株式会社と比べると高いのが特徴。
なので、とにかく法人化したい、コンパクト経営をしたいという起業家にはピッタリの法人形態です。
そうはいっても、合同会社の定款は雛形では対応できない、技術的なことが含まれるのも事実。
雛形集などでは太刀打ちできないこともあります。
会社設立で合同会社を検討している方は、司法書士などの専門家とタッグを組んで行うことをおすすめします。
まとめ
国としては今後も起業しやすい環境整備をすることを掲げています。
法人設立手続オンライン・ワンストップ化検討会でも「法人設立手続における世界最高水準の起業環境の実現」を目指していると書かれています。
今後起業しやすい環境を作りつつ、事業を廃止する場合のケアもすることも大事だと思います。
いずれにしても、起業する際は専門家と話し合い自分の枠にあった法人にするべきです。
今回は
『新規設立法人が増えています!これからの時代起業が増えるか?』
に関する内容でした。
参考文献
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人生100年時代、定年退職して起業したい方もいるでしょう。こちらもあわせて御覧ください。
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参考書籍
会社設立時の税務の話: 司法書士&行政書士に読んでほしい
山下 雄次,永渕 圭一,山田 美穂 日本法令 2016-03-15
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