東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
3月決算の会社は、大企業を除き定時株主総会の開催時期だと思います。
そこで、定時株主総会で最低限決議しなければならないことと、総会終了後しなければならないことを書きます。
定時株主総会で必ず決議する必要があるもの
3月決算の会社であれば、貸借対照表や損益計算書などの計算書類が完成されているはずです。
計算書類は一部会社を除き、定時株主総会で承認を受ける必要があります。
なので、定時株主総会を毎年必ず開催しなければならないのです。
あとは必ず決議するものではありませんが、取締役の報酬は、会社の状況に応じて変える必要があるため、多くの会社で決算承認決議と同時に取締役の報酬決議をします。
さらに、取締役等役員の任期が定時株主総会で満了するのであれば、取締役等の選任決議を行います。
同じ人が引き続き取締役になるとしても、任期が到来していたら再度定時株主総会で選任する必要があります。
定時株主総会終結後あなたの会社がしなければならないこと
議事録の作成及び保管
定時株主総会を開催したら、必ず議事録を作成しなければなりません。
議事録に記載すべき事項は、会社法及び会社法施行規則で条文化されています。
法律では印鑑のことは触れていませんが、定款の規定に従い、議事録に押印します。
中小零細企業の場合は、議事録作成者と議長と代表取締役が同一人物が多いので、その人が会社実印を押印します。
あと、実際に株主総会を開催しない、みなし総会で行う場合もあります。
その場合でも会社法及び会社法施行規則に従い議事録を作成しなければなりません。
なお、登記申請で株主総会議事録を添付する場合、議事録作成者だけの捺印では足りず、出席取締役も捺印しなければならないときもあります。
一例として、取締役会を置かない会社で、株主総会で代表取締役を選んだ場合や取締役の就任承諾を議事録で援用する場合とかがあります。
作成し押印した議事録は会社に保管する義務があり、株主等から閲覧請求されたら開示できるようにしなければなりません。
決算公告をする必要
株式会社では、承認を受けた計算書類を公告する必要があります。
多くの会社では官報で決算公告をするので、官報販売所で決算公告の手配をして行います。
あと、承認を受けた計算書類を元に税務署に確定申告をします。
確定申告は原則事業年度終了してから2ヶ月以内にする必要があります。
税理士が顧問についているのであれば、定時株主総会から確定申告まで確認しながらされることをオススメします。
定時株主総会で登記事項に変更があれば登記申請
定時株主総会で役員を変えたり、商号や目的などの定款変更決議をしたら、登記申請をする必要があります。
登記申請は、定時株主総会で効力を生じている場合、その日から2週間以内に法務局に登記申請をする必要があります。
司法書士とか変わっている場合、定時株主総会前に事前に打ち合わせておくこと、そして登記申請にスムーズにいけるようにしておくといいでしょう。
まとめ
定時株主総会で決議しなければならないこと、総会終了後にするべきことをまとめてみました。
参考になれば幸いです。
今回は
『定時株主総会で決議すべきこと終了後しなければならないこと』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
株式会社の場合、決算公告は義務です。そのあたりを詳しく書いていますのであわせてご覧ください。
参考書籍
議事録作成の時に参考になる書籍です。
7会社議事録の作り方<第2版> (【新・会社法実務問題シリーズ】)
松井秀樹 中央経済社 2016-04-27
|
議事録作成の実務と実践
鈴木 龍介,稲垣 裕行,西岡 祐輔,早川 将和,平石 悠亮 第一法規株式会社 2017-10-18
|