株式会社の決算公告は義務です!会社設立の際に考慮を!

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。

はじめに

株式会社では決算公告が義務だと聞きました。
しかし、実際に中小零細企業ではほとんど見かけませんが、もし決算公告をしなければ罰則はあるのでしょうか?

会社設立の際、多くの方は「株式会社」を選択しています。

しかし、決算公告が義務であるかどうかまで起業家の方は知らないようです。

決算公告を怠ると何か罰則はあるのか?

決算公告に関する会社法の規定を確認してみましょう。

(計算書類の公告)
第440条 
1 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第939条第1項第1号又は第2号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後5年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
4 金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。

(公告方法)
第939条
1 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告

そして、過料に処すべき行為として、会社法976条で公告を怠ったときは、100万円以下の過料に処すると規定されています。

株式会社で決算公告をしなかった場合は過料に処せられるということは知っておくべきでしょう。

実際に過料に処せられた企業はあるのか?

実際に過料に処せられている企業はあるかについては、ほとんどないというのが現実です。

ただ、全国中小企業団体中央会によると、年間に数件過料に処せられている企業があるようです。
実際企業が決算公告を怠ったため過料に処せられたことを表に出さないため、表面化されていないのが現状です。

これからの決算公告のあり方はどうなるのか?

私は、今後決算公告がきちんと行われているかどうかで判断される時代がくる気がしています。

理由は以下のとおりです。

  • 会社設立が今後簡素化されると、決算公告が行われているか否かで企業の社会的責任が果たせているか判断されるため
  • 金融機関の融資で、重要視されなかった決算公告の有無が、会社の実態をみるため判断材料のひとつになる可能性がある
  • 決算公告をオープンにしている会社こそ、経営が明確で、他の会社と差別化を図ることができる
  • コンプライアンスが今後中小零細企業にもいきわたり、マイナスに動く可能性がある

決算公告をどのようにすればいいのか?

そもそも決算公告のやり方が分からないという経営者も多いでしょう。
ざっくり流れを解説します。

公告方法が官報の場合、官報販売所に連絡して決算公告の申込みをします。

掲載する枠によって異なりますが、最低でも72,978円かかります

ただ、中小企業は貸借対照表については要旨のみの掲載で足りるので、官報による決算公告が一番楽です。

一方、公告方法を官報にしている会社で、決算公告をウエブサイトに掲載する電子公告の方法もあります。

代行会社を使うと数万円と官報公告と比べやすいですが、公告後5年間は継続して掲載する必要があること、貸借対照表の用紙だけでは足りず全部を記載する必要があるので面倒なところもあります。

ここは会社の実情にあわせて判断してください。

なお、決算公告を電子公告する場合はそのURLを登記する必要があり、登録免許税が3万円かかることも覚えておいてください。

まとめ

株式会社は決算公告が必須で、公告のための費用が毎年かかるということを覚えておいてください。

おそらく近い将来、決算公告をしなかったので過料に処せられる会社が増えてくると思います。

法律で決められたことをするのが当たり前なので・・・

今回は
『株式会社の決算公告は義務です!会社設立の際に考慮を!』
に関する内容でした。

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
会社設立・企業法務・相続を得意としています。
趣味は鉄道(撮り鉄・乗り鉄両方です)・ランニングです。
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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