会社の公告する方法 電子公告も選択肢としてありなのかも

会社の公告する方法 電子公告も選択肢としてありなのかも

ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

最近設立した会社の定款を見ていると公告をする方法として、電子公告を選択する会社が増えています。

電子公告をする意味を理解してそうしているかは分かりませんが、増えていることに正直驚いています。

私はブログでも、公告をする方法は官報のほうが便利でいいとずっと思っていました。

しかし、このご時世、インターネットが普及し、オンラインで行おうとする会社も増えています。

今回は、公告をする方法を改めて書いていきます。

会社の公告する方法 電子公告も選択肢としてありなのかも

定款ではどのように記載されるのか?

定款では、以下の条項で記載されることが多いです。

(公告方法)
第○条 当会社の公告は、電子公告により行う。ただし、電子公告によることができない事故その他やむを得ない事由によって電子公告ができない場合は、官報により行う。

電子公告ができない場合の予備的規定を置かないと、官報などで公告をすることができませんので、実務では、予備的公告として、官報にしたりするケースが多いです。

電子公告にすることのメリットは?

電子公告にすると、基本サーバー代とかドメイン代を除けば、基本費用はかかりません。

決算公告について、官報で行うと毎年7万円ほど費用がかかりますが、電子公告の場合は費用はかからず、調査会社の調査は不要です。

電子公告にすることのデメリットは?

一見電子公告にするとメリットはありそうですが、デメリットも当然あります。

先程触れた決算公告ですが、官報だと決算公告は要旨だけで足ります。

しかし、電子公告の場合だと、要旨だけでは足りず、全文を掲載する必要があります。

さらには、決算公告の内容を電子公告の場合は5年間自社のホームページ上に掲載しなければなりません。

電子公告の場合、一番のネックは、合併等の決算公告を行う場合でしょう。

合併登記などの際に「公告をしたことを証する書面」が必要となります。

こちらは調査会社に発行してもらうのが基本となります。

発行してもらうための費用が10万円前後かかるため、会社にとっては結構な負担となります。

さらにはサーバーダウンが起きてしまうと公告が途切れてしまうというリスクもあります。

そうなると、公告期間が足りなくなり、予定していた合併も難しくなることもあります。

ここは電子公告のデメリットではあります。

また、すぐに証明書を出してもらえるかというとそうではないようなので注意が必要です。

会社設立時 公告をする方法は実際どうすればいいのか?

決算公告については、株式会社では法律上の義務となっています。

なので、官報もしくは電子公告で行う必要が出てきます。

小さい会社で、ずっとひとり株式会社で行く場合には、税理士が顧問になっているときは、もしかしたら決算に関する内容を全文を載せても問題がないように感じます。

そうであれば、毎年の官報費用をカットし電子公告にする手はありえます。

きちんと決算公告の全文が掲載されていれば、そのほうが信用度がかえって高まるのではないかと最近思っています。

ただし、会社を大きくしたいとか合併を考えているというのであれば、電子公告よりも官報のほうが、コストを安く押さえられるので、そちらのほうが重宝することもあります。

まとめ

決算公告については、毎年必ず行う必要があることは起業家の方はご理解ください。

その上で、決算公告の全文を載せられる状況であれば、設立時の公告する方法を電子公告とすることも検討すればいいです。

会社をどうしたいのか、設立当初から考えて選択することが大事です。

今回は
『会社の公告する方法 電子公告も選択肢としてありなのかも』
に関する内容でした。

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参考書籍

公告・通知・催告の実務

公告通知等実務研究会 新日本法規出版 2000年04月
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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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