【実務編】株式会社設立登記申請書の「データ作成」完全ガイド:法務省テンプレートをシステム的に読み解く

東京都江戸川区船堀「司法書士・行政書士きりがや事務所」司法書士・行政書士「資格合格逆算メソッド」著者桐ケ谷淳一(@kirijunshisho)です。

はじめに

自分で登記を行う際、最も神経を使うのが「登記すべき事項」の作成です。 既存の記事で全体の流れを把握したら、次は**「法務局のシステムに一発で取り込まれる正確なデータ作り」**に集中しましょう。

本記事では、法務省の最新書式に基づき、書類間の「データの同期」と「物理的な作成ルール」を解説します。

1. 登記申請書の構造と「データの同期」

申請書は単なる書類ではなく、「定款」「払込証明」「印鑑証明」の3つを結びつけるハブです。

以下のテンプレートの( )部分は、他の書類と1文字の齟齬(スペースの有無まで)も許されません。

株式会社設立登記申請書(会社の形態によって異なります)

1.商 号: 〇〇株式会社 ※定款に記載した商号と完全一致させること。

1.本 店: 〇県〇市〇町〇丁目〇番〇号 ※発起人の決定書および印鑑証明書の住所と「丁目・番・号」の表記を統一。最近では本店所在地を「◯-◯-◯」で表記している会社も見かけます。

1.登記の事由: 令和〇年〇月〇日発起設立の手続終了

1.登記すべき事項: 別添CD-Rのとおり

1.課税標準金額: 金〇〇〇万円
1.登録免許税: 金150,000円

1.添付書類:

  • 定款 1通

  • 発起人の同意書 1通

  • 設立時取締役を選任したことを証する書面 1通

  • 設立時取締役の就任承諾書 1通

  • 印鑑証明書 1通

  • 本人確認証明書 1通

  • 設立時取締役の調査報告書及びその附属書類 1通

  • 払込みを証する書面 1通

令和〇年〇月〇日(※法務局への提出日)
申請人 (住所)〇県〇市〇町〇丁目〇番〇号    
      (商号)〇〇株式会社

     代表取締役(氏名) 〇〇 〇〇 ㊞

〇〇法務局 〇〇支局 御中

2. CD-Rで提出する「登記すべき事項」の作成仕様

紙媒体で出す場合、「登記すべき事項」は記録媒体で出することが多いです。

なお、私はオンライン申請の場合が多いので、基本記録媒体での申請はしたことがありません。

法務省の雛形ページでも推奨されている、記録媒体(CD-R等)による提出。

ここには「システム上のルール」があります。

  • ファイル形式: テキスト形式(.txt)

  • 文字コード: Shift-JIS(MS明朝、MSゴシック等)

  • ファイル名: 任意(例:設立登記.txt)

  • 書き方のルール:

    • 項目ごとに「 」(かぎかっこ)で括る。

    • 「発行可能株式総数」などの数字は、漢数字ではなく**アラビア数字(100株など)**でも受理されますが、定款の表記に合わせるのが最も安全です。

3. 【テクニカル】登録免許税の算出と端数処理

登録免許税の計算には、法務省の規定を厳格に適用します。

  1. 計算式: 資本金の額 × 7/1000

  2. 端数処理: 100円未満は切り捨て。

  3. 最低額: 計算結果が15万円に満たない場合は、一律150,000円

    • 例:資本金100万円の場合、100万×0.007 = 7,000円ですが、納付額は15万円となります。

まとめ:書類作成は「転記の正確性」がすべて

既存記事で全体の流れを掴んだら、本記事の仕様に沿ってデータの「ズレ」を徹底的に排除してください。

登記官は「内容」よりもまず「形式」と「整合性」を見ます。定款、印鑑証明書、申請書の3点を並べ、1文字ずつ指差し確認することが、一発受理への最短ルートです。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。