こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
昨今副業やフリーランスが増えています。
事業が軌道に乗ってきたので法人化したいという方もいるでしょう。
今回は、これから「ひとり会社」を設立しようとしている方に向けて、知っておくべき法務面と税務面の注意点をわかりやすく説明します。
法務面で知っておきたいこと
1 定款の作成と内容の確認
会社を設立する際には「定款」を作成します。
株式会社設立の場合は公証役場で認証する必要があります。
定款は会社の基本ルールを定めたもので、事業内容、会社の住所、役員の構成などが含まれます。
ここで注意したいのが、事業内容の記載です。
許認可が必要な事業を行う場合、事前に確認しておかないと、後で困ることになります。
特に古物商や飲食店をする場合は目的の定め方に注意してください。
2 商号(会社名)と商標権
会社名は自由に決められますが、既存の会社名と同じところに本店を設ける場合は使用できません。
同じ商号でも本店が異なれば会社設立の登記は受理されますが、不正競争防止法の観点から同じ商号は避けるべきです。
また、商標権に抵触する場合もあるため、事前に調べておくことが重要です。
万が一、他社の商標を侵害すると損害賠償の対象になることもあります。
3 株式の発行と資本金
会社を設立する際には資本金を決定します。
1円からでも設立できますが、事業規模に合わせて現実的な金額を設定することが大切です。
資本金の金額は会社の信用力に関わるため、あまりに少ない金額だと取引先や銀行の信用が得にくくなる可能性があります。
4 取締役の責任と義務
ひとり会社の場合、代表取締役が自分1人になることが多いですが、取締役には法律上の責任があります。
例えば、会社の債務を返済する義務はありませんが、不正行為や不適切な経営を行うと、場合によっては個人として責任を負うこともあります。
また、事業年度ごとに適切な決算と登記の手続きを行う必要があるので、スケジュールを管理しましょう。
税務面で知っておきたいこと
1 法人税と個人所得税の違い
法人化すると、個人事業主とは異なる税制が適用されます。
個人事業主の場合、事業収入から経費を差し引いた利益に対して所得税がかかりますが、法人になると、会社の利益に対して法人税がかかります。
個人所得税よりも法人税率が低いため、利益が一定以上ある場合には、法人化した方が節税になることが多いです。
2 消費税の免税期間
新しく設立した会社は、設立から2年間は消費税の免税事業者として扱われるケースが多く、消費税の支払いが不要になります。
ただし、資本金が1,000万円以上だと初年度から消費税が課されるため、設立時には資本金の設定も慎重に考えましょう。
さらにインボイス制度のことも考えておく必要があります。
3 社会保険の加入義務
法人化すると、原則として社会保険(健康保険と厚生年金)への加入が義務づけられます。
個人事業主の場合は任意加入ですが、法人では強制加入となるため、社会保険料の負担が増えます。
このため、法人化後の収益見込みをしっかりと立てておく必要があります。
4 青色申告の特典と決算書の作成
法人としての申告では、青色申告が適用されると税務上の特典を受けられます。
例えば、欠損金を翌年以降に繰り越すことができるため、赤字になった場合でも将来の利益と相殺することが可能です。
また、青色申告を行うためには、決算書を正確に作成する必要があります。
経理業務に不安がある場合は、税理士のサポートを受けることをおすすめします。
自分で対応が難しい場合の司法書士や税理士の活用
法務や税務に関してわからないことがある場合、司法書士や税理士に相談することが大切です。
特に、定款作成や税務申告など、専門知識が必要な部分はプロに任せることで、安心して会社設立に集中できます。
司法書士は会社設立に必要な登記手続きをスムーズに行い、税理士は税務に関する適切なアドバイスを提供してくれるため、長期的なビジネスのパートナーとして頼りになります。
まとめ
ひとり会社として法人化を進める際には、法務面・税務面の知識が不可欠です。
わからないことがあれば、無理をせず専門家に相談し、会社設立を成功させましょう。
江戸川区船堀、宇喜田、葛西、東小松川地域にお住まいの方で、相続・会社経営(商業登記を軸とした企業法務)に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
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今回は
『ひとり会社設立 設立時に知っておきたい法務面と税務面のこと』
に関する内容でした。
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