東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
合同会社のメリットは
・設立費用が安い
・設立後の会社経営のコストが安い
・役員の任期がない
・決算公告がいらない
などがあります。
しかし、実際には合同会社の運営については専門家の関与がないと難しいと言われています。
それは本当なのでしょうか?
今回はひとり合同会社を設立するあなたのために、設立後の会社運営についての留意点について触れます。
合同会社は「プロ向きの箱」といわれているが本当なのか?
合同会社の法務は未成熟だらけ?
司法書士同業者のブログを読んでみると、社員が複数いる場合の合同会社の運営について、様々な論点が介在していることがわかります。
合同会社は定款自治がものすごく強く働き、株式会社と比べ定款の条項次第で会社の運営の方法も変わります。
それがゆえに合同会社の運営が難しいとなり「プロ向きの箱」とかと言われてしまうのです。
それもそのはず、合同会社ができてから10余年しか経っておらず、実務もまだそこまで集積されていないのです。
だから合同会社の法務は未成熟と思われても仕方がないのです。
合同会社の運営上の問題となる論点として
・社員の退社の持分の払戻し
・合同会社を完全親会社とする場合の資本金の額
などがあり、今後も様々な論点が出てくるでしょう。
ひとり合同会社であれば運営で神経質になる必要はない!
ひとり合同会社の場合は、業務執行社員がひとりなので、退社の問題は生じません。
あとは、そこまで規模を拡大するわけでもないので、合併なりの問題は起こりません。
なので、ひとり合同会社であれば「プロ向き」とまではいえず、積極的に活用してもいいです。
ただし、運営面については専門家にアドバイスを貰ったほうが経営はしやすくなります。
私はひとり会社で、とりあえず法人の枠だけ作りたいというのであれば合同会社でもいいと思っています。
そして、合同会社で「プロ向き」の運営が必要となる場面、例えば社員が増えたときに株式会社に組織変更すべきです。
合同会社だと規模拡大を図るのが難しく、合同会社が「プロ向き」であるというのであれば、合同会社から株式会社に変えたほうが、会社にとっても都合がいいからです。
まとめ
今回のブログのまとめ
・ひとりで法人の枠だけ作りたいのであれば合同会社をおすすめ
・合同会社の運営はまだまだ未成熟な部分が多いので、誰かに関与してもらう必要があるが、ひとり合同会社の場合はそこまで神経質になる必要がない
・社員を増やしたら合同会社から株式会社に組織変更すべき(合同会社の法務が未成熟のため)
今回は
『小さな会社の企業法務 会社法務上まずはこれだけはやってほしいことのまとめ』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
合同会社のデメリットを逆手に取る。こちらのブログも合わせて御覧ください。
参考書籍
株式会社との対比でみる合同会社の法務・登記・税務
加藤政也 新日本法規出版 2019年01月28日
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商業登記実務から見た 合同会社の運営と理論
金子 登志雄/立花 宏 中央経済社 2019年02月19日
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合同会社の法と実務
森本 滋 商事法務 2019年01月30日
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