東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
会社設立が簡単になってくる世の中。
定款も簡素化する動きが出てきています。
ただ、似たり寄ったりの定款で、個性がなくなりつつあります。
完全親会社の定款ならしょうがないですが、これから事業を始めるひとり会社の定款が没個性的だと生き残れません。
では、「共感」される定款はどのように作成すればいいのでしょうか?
ひとり会社の設立 定款 これからの時代共感される定款づくりが重要!
企業理念=共感される定款づくり
どうしても法務省の雛形定款や市販されている会社設立の書籍に記載されている定款雛形だと、味気ない内容になってしまいます。
形式張ったものではなく、あなたの会社のオリジナルの定款を是非作成してほしいのです。
まず、周りに「共感される」定款として提案するのは、定款前文に「企業理念」を記載することです。
民事法研究会の「中小企業のための戦略的定款」にも前文に企業理念を盛り込むことを提案しています。
そもそもなぜあなたは起業して法人化したかったのでしょうか。
経営方針は?周りとの約束事は?
そのことを是非定款にいれてください。
定款に企業理念を入れ込むだけでも他の会社との差別化がでぉ、あし。
また、定款に企業理念を記載することで、あなたの会社の経営軸が強固になります。
会社経営に行き詰まったときに企業理念のもとに会社経営の修正ができます
あなたの会社を興すときの想いが「創業理念」、会社の事業や組織運営に対する考え方を「経営理念」、そして経営者と社員・従業員が共に会社の目標や将来性を形づくったものが「企業理念」です。
ひとり会社の場合、どのような想いで会社を創立したのか、どのような方針で会社を経営していくのか、そして社会にどう貢献し目標を立てるのかという考えで「企業理念」を策定すればいいでしょう。
企業理念の前文の例をあげます。
(企業理念)
1、当会社は・・・・を第一に考え、・・・に貢献する。
2、当会社の使命は、・・・・と考える。
3、当会社は、法令と倫理の遵守を日々の活動の根幹に据え、社会的責任の遂行に努める。(「中小企業のための戦略的定款」224ページより)
会社の目的 あなたの会社は何をしたい会社ですか?
資本金と会社目的については密接な関係があると私は思っています。
会社の元手となる資本金であなたの会社が動くからです。
そこで、何を事業としているのかを示すのが「目的」
ここを、意外と侮ってはいけないところです。
よく、事業目的を多く入れている会社がありますが、この会社何を中心にやりたいのかわからないことがあります。
つまり主力業務が見えてこないのです。
そのようななんでも屋会社を周りの方々は共感するでしょうか?
将来やりたい事業とか、許認可の関係で目的を事前に登記することもあるのは承知ですが、あえて目的を絞り込む勇気も必要なのかもしれません。
むしろコンパクトビジネス・ひとり会社の場合は、会社設立当初は事業の集中が重要です。
商号 なぜこの商号にしたのかを定款に盛り込む
さきほど、経営理念を定款の前文に入れることを書きました。
それと同じで、商号にもなぜこの商号にしたのか由来を定款に記載するのもいいでしょう。
その場合の定款記載例を紹介します。
第○条 (商号)
1、当会社は、株式会社○○と称する。
2、この商号の意味は、・・・である。(「中小企業のための戦略的定款」80ページをアレンジしたもの)
まとめ
定款の内容については、雛形定款に頼らず、他の会社と差別化を図った定款にすべきです。
そのためにも定款に企業理念や商号の由来を記載するのもありです。
目的も自分の会社は何をする会社なのか企業理念や商号からリンクできるようにすることが重要です。
今回は
『ひとり会社の設立 定款 これからの時代共感される定款づくりが重要!』
に関する内容でした。
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参考書籍
中小企業のための戦略的定款―作成理論と実務
司法書士グループLLP経営360° 民事法研究会 2008-06
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