東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ひとり株式会社の設立。
意外と大事なのは、本店所在地をどこにするのか?
設立後に本店の所在地で問題になることがあるので、今回は「本店」に焦点をあてて書いていきます。
本店 定款に具体的所在場所まで書く必要があるのか?
会社の設立に際して、「本店の所在地」を定款に定める必要があります。
ただ、「定款」に定める場合は、「最小行政区画である市町村(東京都の特別区を含み、政令指定都市は市)まで表示すれば足ります。
例えば、東京都千代田区神田神保町に本店を設けたい場合は、定款には「本店は、東京都千代田区に置く」と記載すればいいです。
本店の具体的所在場所は、定款作成後、発起人の決議で決めればいいです。
実務では、定款で、本店の具体的所在場所まで定めている場合はほとんどありません。
なぜかというと、本店を移転することに、例えば同じビル内の別のフロアに移転する場合でも定款変更手続が必要となり、手続が面倒になるからです。
私の経験上、具体的所在場所まで定款で定めた例はありません。
本店の場所についての注意点
意外とひとり会社の経営者は本店の所在場所を気にする傾向にあります。
自宅にしたほうがいいのか、それともバーチャルオフィスやコワーキングスペースを借りて本店にするか、結構悩んでいます。
私も「本店所在地」について、色々質問を受けることがあります。
まず、会社設立時の登記申請に本店所在地を証する賃貸借契約書の書面などの添付は不要です。
なので、どこに本店を置いても問題はありません。
しかし、何も考えずにバーチャルオフィスとかに本店を置くとデメリットが生じます。
バーチャルオフィスやコワーキングスペースに本店を置くメリット・デメリット
自宅を本店所在地とすると、登記簿にも記載されますので、嫌がる方もいるでしょう。
ただ、株式会社の代表取締役や合同会社の代表社員の住所は登記事項なので、登記事項証明書を取得するとバレてしまいますが…
自宅がマンションの一室や賃貸物件の場合、賃貸借契約書に「居住用」とか「事務所として利用不可」等になっていると、オーナーとのトラブルに発展することがあります。
もし、自宅を本店所在地にする場合は、賃貸物件の場合は「事務所として利用していいか」というところを確認してください。
あわせて、許認可申請の場合には、自宅を事務所に使うことができるのかも、会社設立をするに際しては気をつけてください。
では、最近流行りのバーチャルオフィスを本店所在地にしてもいいか。
最近のバーチャルオフィスは登記可能という謳い文句のところもあります。
しかし、バーチャルオフィスを本店所在地にできないことがあります。
それは、建設業や宅建業などの許認可業務を行う場合、事務所の写真や図面が必要となります。
事務所が実在することを証することが必要となり、バーチャルオフィスでは本店を置けないことになります。
もう一つ問題なのは、銀行口座を開設できるかどうか。
特に創業融資を受けたい場合は、事務所が実在していないと融資を受けることができません。
最近は、都市銀行や一部地方銀行で、法人の新規銀行口座の開設が難しくなっています。
銀行口座を開設するときは、法人が本当に実在しているのかを調べます。
そうなると、その事務所で本当に法人が機能しているのか、金融機関も興味を持っているところです。
なので、バーチャルオフィスを本店にする場合には、事前にバーチャルオフィスの運営会社や口座開設したい金融機関に確認されることをおすすめします。
会社設立前に金融機関に確認
先程も触れましたが、本店所在地近くで銀行口座を開設することが多いかと思います。
会社設立をすると、企業などと取引がはじまり、銀行口座が確実に必要となります。
とはいっても、会社設立してすぐには銀行口座はつくれず、銀行によっては開設まで1ヶ月弱かかることもありえます。
なので、早めに銀行口座を開設できるようにしておくためにも、本店近くに金融機関に足を運び、必要書類や開設までにかかる時間を確認してください。
しばらくは銀行口座を開きやすいところで開設し、企業として回りだしたら、大手都市銀行に口座開設の依頼をするといいです。
足に創業融資を考えている発起人のかたは、事前に金融機関や日本政策金融公庫に相談してから設立したほうがいいです。
まとめ
ひとり会社の本店所在地は意外と重要であることをこのブログで感じ取っていただけると嬉しいです。
今回は
『【ひとり株式会社】設立時の本店について注意すべきことは?江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
小さな会社の企業法務に関するブログはこちら