東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
株式会社設立。
最近、本店所在地を「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」にしたいという方が増えています。
その場所を本店所在地にすることができるのか、何か問題点はないかを書きました。
これからひとり法人を作りたい方や副業で法人化を目指す方はぜひお読みください。
会社法でいう「本店」の定義は?
法律用語としての「本店」とは、商人の主たる営業所をいいます。
会社法では、「会社の住所は、その本店所在地にあるものとする」と定められています。
また、会社法では、「本店の所在地」が定款の絶対的記載事項となっています。
つまり、ひとり会社の場合では、そこで事業を行う場所だという感じで押さえておくといいでしょう。
バーチャルオフィスやコワーキングスペースを本店にしてもいいか?
ここで問題になってくるのは、自宅で業務を行う場合、自宅を本店所在地にすると、商業登記簿に記載されるので、他の場所を本店所在地にできるかという問題。
そこで、最近では、バーチャルオフィスやコワーキングスペースが登場してきています。
バーチャルオフィスとは、業務スペース(事務所)を構えることなく、事業を始める際に必要な本店所在地などを借りることができるサービスをいいます。
一方でコワーキングスペースとは、様々な人たちが空間を共有しながら仕事を行うスペースを言います。
どちらも事業者の独立した事務所の形態はないのが特徴です。
そこで問題になってくるのは、独立した事務所の形態のない「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」を本店所在地にできるのかという問題です。
実際にそれらの場所を本店所在地に登記することは可能となります。
というのも、登記申請の際には、本店所在地の間取りを証する書面は要求されていないので、「コワーキングスペース」や「バーチャルオフィス」を本店所在地にすることは可能です。
ただ、「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」を利用する場合、その場所で登記可能なのかは確認する必要があります。
バーチャルオフィスやコワーキングスペースを本店所在地にできない場合
「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」で会社設立登記ができても、実際に事業ができなことがあります。
それは、開業支援のために融資を受ける場合。
実際に事業をしていることを裏付けるため、事務所が実在していることを調べられます。
「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」だと独立したスペースはないので、審査が通らないこともあります。
金融機関の口座を開設する際も事務所が実在していないと開設できないこともあるので、注意です。
その銀行と取引したい場合は、会社設立前に「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」を本店所在地にできるかは確認してください。
あと、建設業や宅建業などの許認可関係は、事務所の間取り図を提出する必要があります。
「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」だと独立した作業場所がないので、許認可を得ることは難しいです。
自分の行いたい事業が許認可に絡むような場合には、本店所在地が実際にないといけないことをご理解ください。
まとめ
最近は「バーチャルオフィス」や「コワーキングスペース」でも会社設立登記はできるようになりましたし、金融機関の口座を作ることもできます。
とはいっても、会社の事業次第では許認可要件や事業資金融資で本店は実在していないといけない場合もあります。
自分の事業は許認可が必要な場合、創業融資を受ける場合は本店所在地について注意してください。
今回は
『【ひとり会社の設立】本店所在地をバーチャルオフィスにしたい場合の注意点は?江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。
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