【ひとり会社の設立】会社設立時取締役が1名の場合、自動的に代表取締役となるのか?江戸川区の司法書士が解説

東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

株式会社設立。

意外と盲点になりやすいのは「代表取締役」について。

取締役が1名であれば、自動的にそのものが「代表取締役」になるという実務の扱いです。

ただ、今後会社の規模が大きくなり、ひとり株式会社でも役員を増やす場合、代表取締役はどう選ぶべきなのか?

今回は、私見を交えて、ひとり株式会社の代表取締役とその後の役員増員したときの代表取締役の選び方について紹介します。

なお、非取締役会設置会社を前提に書いていますのでご容赦ください。

ひとり株式会社の場合、その者が代表取締役となる根拠

会社の「取締役」・「代表取締役」は登記事項です。「取締役の氏名」「代表取締役の住所・氏名」が登記されます。

確かにひとり株式会社の場合「取締役」が1名だと、代表取締役は登記いらないのではないかという見解もありました。

しかし、「事例で学ぶ会社法実務(全訂第2版)」256ページでは以下のように説明されています。

会社法47条の「代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう)」につき、当然の内容ではなく「株式会社を代表する取締役を代表取締役という」とした積極的な定義規定だと知られてから、この混乱はなくなりました。取締役1人でも、その者が会社を代表する権限を有する限り、代表取締役です。

「事例で学ぶ会社法実務(全訂第2版)」256ページより

なので、この記載からも、取締役が1名であっても自動的に代表取締役になるのです。

ひとり株式会社の定款で役員増員のフォローをしておく

ひとり株式会社の場合、あまり役員増員のことは考えず、会社設立の定款を作成するかもしれません。

しかし、いざ役員増員するときに、定款の規定でできないこともありえます。

なので、設立当初から、役員増員を視野に定款を作成しておくべきです。

定款に記載してしまうと、定款に縛られることがあり、柔軟に対応する必要があります。

役員の員数、任期、増員取締役の任期短縮規定、代表取締役の選定方法など、意外と定款の規定を曖昧にしている部分があります。

そこは会社の事情もあるので、慎重に判断して条項化するといいでしょう。

代表取締役の選定方法について

先程も書きましたが、ひとり株式会社の場合、取締役になれば、自動的にその者が代表取締役になるので問題ありません。

問題は、他に取締役を選んだ時。

非取締役会設置会社の場合、代表権を含んだ取締役として選任されることになります。

ただ、代表取締役が複数いると、会社運営上問題も出てきます。

なので、取締役のうち1名を代表取締役にすることが実務では多いです。

その選び方については、「定款に直接定める」「株主総会で選ぶ」「取締役の互選で選ぶ」の3つがあります。

実務では、代表取締役の選定について、定款を見ていると「取締役の互選で選ぶ」ことが多いです。

最近は、登記申請時の添付書面の兼ね合いもあり「株主総会で選定する」という会社も増えています。

代表取締役を株主総会で選ぶか、取締役の互選で選ぶか、代表取締役の性質の問題が出てきますが、小さな会社の場合、そこまで神経質に考えていないのが現状です。

まとめ

今回は代表取締役のことについて書きました。

ひとり株式会社の場合は、取締役になれば、自動的に代表取締役もくっついてくると覚えておくといいです。

今回は
『【ひとり会社の設立】会社設立時取締役が1名の場合、自動的に代表取締役となるのか?江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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