東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
事業承継。
どんな規模の会社であっても、誰に継がせるかを考えないといけません。
事業承継対策を始めると時間がかかるということを聞いたことがあるでしょう。
今後のことを考えて機関設計や定款の見直しも考慮に入れる必要があります。
今回は事業承継に際しての導入部分、定款の見直しについて紹介します。
合わせて、事業承継で大事になる株主の整備も少し触れていきます。
定款見直し あなたの会社の規模と定款内容は大丈夫か?
事業承継を考えている方が法務面でまず取り組んでほしいのは「定款」の見直し
まずはあなたの会社の定款を用意してください。
定款がない場合は、会社設立のときに定款認証した公証役場に問い合わせて、まだ謄本があるかどうか確認してください。
または、司法書士や税理士などにも問い合わせるのもありでしょう。
それでも見つからない場合は、履歴事項全部証明書から推測して定款を復元するしかないです。
いずれにしても定款を用意して、現在の規模とあっているかを確認してください
もし、取締役や監査役機能していないとか、現状と合っていない、更には定款そのものが無いという場合は、定款の見直しは必須です。
定款の変更決議 株主総会の特別決議
定款の見直しは、株主にとっても重大な事項。
なので、株主総会の特別決議が必要です。
そもそも株主総会を開催するに際しては株主が誰なのかもこの機会に把握しておくことが大事です。
株主の把握については次項で触れます。
定款の見直しで重要となるのが機関設計。
現状、取締役と監査役、機能しているかどうか、任期はどうかなど、内部的な部分をまずは調べてください。
名ばかりの取締役や監査役がいる場合、この機会に員数を減らしたり、監査役そのものを廃止したりすることも検討してください。
身の丈にあった機関設計にすることが、重要になります。
取締役会の廃止や監査役の廃止は登記事項であり、法務局に申請する必要があります。
機関設計の見直しの登記をすると役員変更の登記もする必要があり、登録免許税は4~7万円かかります。
しかし、事業承継をするに際しては必要経費だと思って投資してください。
株主の整備 知らない株主の存在があった場合 早めの対策を!
事業承継で大事なことの一つに株主が誰かを確認する必要があります。
株主名簿の整備していますか?
現在、不動産でも所有者不明土地の問題が表面化していて、相続登記の義務化にも起因しています。
それと同様「所有者不明株式」も会社にとっては重要な問題なのです。
30数年前の会社設立で発起設立をしていた場合、最低7名以内と会社はできませんでした。
なので、名前を借りて発起人になった人も実際にはいます。
その人と連絡がとれるというのであれば、株式をどうするのかも含めて対応しないといけません。
株主が所在不明の場合は、会社法の規定に従い、処理しないといけません。
なので、すべての手続が終わるまでに時間がかかります。
さらに場合によっては株式を買い取る必要もあり、費用もかかってしまいます。
いずれにしても株主が誰かを把握しておくことは事業承継対策をするにしても大事です。
事業承継で種類株式を発行したいとき、株主全員の同意が必要なときにできないこともあるので。
まとめ(今日の気付き)
事業承継で機関設計などの定款の見直しが必要なこともある。
定款変更は株主総会の特別決議。
事業承継対策で株主が誰であるかを把握することも重要。
今回は
『事業承継 会社の規模に合わせた定款変更や株主の把握はすべきか?江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。
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