遺言書に付言事項は記載すべきか?遺言書に記載できる遺言者の思いとは?司法書士・行政書士が解説
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
遺言書は遺言者の相続人に対する最後のラブレター。
しかし、公正証書遺言だと自分の文字でなく、印字されたものなので、思いが伝わりにくい。
自筆であれば、自分の意思で書いていることが明らかなので、相続人にダイレクトに伝わりやすいです。
最近、Twitterを見ていたら、遺言書に付言事項を書くべきかどうか専門家同士でも意見が割れていました。
私は付言事項を書くことを推奨しています。
その理由も含めて紹介していきます。
遺言書に付言事項は記載すべきか?遺言書に記載できる遺言者の思いとは?司法書士・行政書士が解説
付言事項の意味とは?
遺言書の内容には、法的に効力を生じるものとそうでないものがあります。
法的効力を直接与えない記載事項を「付言事項」といいます。
付言事項には、家族のメッセージや葬式、納骨の方法など、法律とは関係のないことを記載します。
付言事項を書くべきかどうか
最近、Twitterを見ていると、付言事項を記載すべきかどうかで議論が分かれています。
私見ですが、遺言者の立場で見るべきかこの遺言書を読む相続人の立場で見るかで肯定・否定に分かれているように感じます、
私は「付言事項」は遺言書に記載すべきと思っています。
遺言書を書くのは遺言者自身で、遺言者の思いがすべて遺言書に託してあるからです。
これを読んだ相続人があとはどのように思うかにかかってくるところは確かにあります。
しかし、遺言者の意思を示せるのは、現状遺言書に記載できる「付言事項」しかありません。
まぁ、法的効力のないビデオメッセージでも残すことは可能です。
ただ、ビデオメッセージだと、遺言者のハードルは高いでしょう。
いずれにしても遺言者の思いをしっかり遺言書に残すことも「付言事項」を書く意味合いとしては大きいです。
専門家である私もその当たりは十分汲み取って対応していきます。
付言事項を自筆で書く方法はないか?
私は、公正証書遺言に法的効力が生じる部分を書き、自筆証書遺言に自分の思いを書くという方法もありかと思っています。
ただし、自筆証書遺言で書く場合には、公正証書遺言と同じようなことを書かないことが重要です。
また、自筆証書遺言の場合、家庭裁判所での検認手続が必要です。
たとえ付言事項のみの記載で法律上効力が発生することを記載してなくても自筆証書遺言である以上、検認手続が必要なので、面倒といえば面倒です。
費用はかかってしまいますが、法務局に自筆証書遺言保管制度もあるので活用するのもありです。
どうしても自分の遺言に対する意思を明確にしたいのであれば「付言事項」は自筆でかいておきましょう。
そして、公正証書遺言には、付言事項は自筆で書いて残してあるのできちんと見るようにと書くか、ビデオメッセージで残しておいたので見るようにとかしておきましょう。。
あえて付言事項を書かないメリットもある
すでに遺言書を書いても争いそうだとわかっている場合、最低限の付言事項を書くに留める方法もありです。
なぜこの遺言を書いたかくらいは書いておき、他の手段、例えば民事信託を利用するとか他の方法も視野にいれることも検討してみてください。
もともと遺言書を書いても争いそうだという場合、かえって逆効果になることも想定される場合もあるので、そこは書くか書かないかは遺言者の判断に委ねるべきでしょう。
まとめ
付言事項を書くべきかで専門家の意見は割れています。
先程から書いている通り、遺言者の意思を明確にすべきであるから私は付言事項は書くべきだと思っています。
付言事項のメリットデメリットはしっかり伝えた上で遺言者は付言事項を書くかどうか判断してください。
今回は
『遺言書に付言事項は記載すべきか?遺言書に記載できる遺言者の思いとは?司法書士・行政書士が解説』
に関する内容でした。
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