実質的支配者リスト制度 特例有限会社も対象になります 司法書士が解説
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
2022年商業登記関係の最初の改正、施行となるのが「実質的支配者リスト」。
株式会社であれば、大小問わず「実質的支配者リスト」制度の対象となります。
では、実質株式会社の特例有限会社はどうなのか、そのあたりを書きます。
実質的支配者リスト制度 特例有限会社も対象になります 司法書士が解説
実質的支配者リストとは?
以前のブログでも書きましたが、実質的支配者リストとは、実質的支配者情報一覧ともいわれ、会社の実質支配者について、その要件である議決権の保有に関する情報を記載した書面です。
実質的支配者(BO:Beneficial Owner)とは、法人の議決権の総数の4分の1を超える議決権を直接又は間接に有していると認められる自然人等をいいます。
結局のところ、誰がこの法人を支配しているのかを公的に証明する書面が「実質的支配者リスト」というものです。
特例有限会社も「実質的支配者リスト」の対象に!
先程も書きましたが、この制度を利用することができるのは、株式会社となっています。
株式会社の中には特例有限会社も含まれるので、この制度の対象となります。
なお、合同会社では、実質的支配者リストの対象とはなりません。
今後、会社の信用度の観点から、株式会社にするのか合同会社にするのかも法人化する際の判断になるかも知れません。
より株式会社のほうが誰が会社を支配しているかわかるので、取引の相手方からすればより信用度が高くなるでしょう。
特例有限会社も株主名簿の整備が必要
特例有限会社もこの制度の対象となる以上、株主名簿が添付書面となります。
法人税確定申告書別表二の明細書の写し(申出日の属する事業年度の直前事業年度に係るもの)でも構わないですが、せっかくの機会なので、この機会に株主名簿の整備をおすすめします。
株主総会で登記すべき事項を決議したときに株主リストが必要で、その作成資料として株主名簿が必要です。
意外と特例有限会社で株主名簿を整備している会社はそこまで多くありません。
平成18年以前までは「社員」となっていましたが、現状は「株主」となっているので、そのあたりも含めて、きちんと整備してみてはいかがでしょうか。
株主が少なければ整備もそんなにややこしくありませんが、出資者が行方不明だったり、亡くなったりしていると、結構面倒な問題が出てきます。
場合によっては、株式を買い取ったりすることも必要になってくるでしょう。
定款の整備もついでながらこの機会にやっておくことをおすすめします。
まとめ
令和4年1月31日から「実質的支配者リスト」制度が創設され、特例有限会社も対象となることをまずは覚えておいてください。
金融機関から求められても焦らないで、準備できるように今から株主名簿の整備等しておくことをおすすめします。
今回は
『実質的支配者リスト制度 特例有限会社も対象になります 司法書士が解説』
に関する内容でした。
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