取締役の就任日と就任承諾書に押印する印鑑について 小さな会社の企業法務に詳しい司法書士が解説します

取締役の就任日と就任承諾書に押印する印鑑について 小さな会社の企業法務に詳しい司法書士が解説します

東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

取締役の就任登記。

就任日はいつなのか、就任承諾書の押印とかで注意しないといけないことは結構あります。

最近は、ただ打ち込めば自然と書類が出来上がるシステムもあるようです。

正直それだと対応できない問題も多い気がしています。

今回は非取締役会設置会社の就任日や就任承諾書に押印する印鑑について、司法書士である私が解説していきます。

取締役の就任日と就任承諾書に押印する印鑑について 小さな会社の企業法務に詳しい司法書士が解説します

就任日について気をつけることは?

就任日については、就任承諾をした日になります。

なので、選任日が必ずしも就任日にならないことがあることに注意です。

ひとり株式会社の場合は、前任者が退任した日に合わせて就任するので、就任日について特段問題はありません。

ただし、登記上、選任日から任期の起算がされるので注意してください。

例えば、株主総会で取締役として選任されたのは3月25日で、就任承諾日が4月1日の場合、実際に役員として効力が発生するのは4月1日からとなります。

ただし、任期の起算日が3月25日からとなるので、決算期をまたぐ場合には注意してください。

取締役の選任については、株主総会で行い、原則普通決議です。

しかし、通常の普通決議と異なり、取締役の選任決議は、定款をもってしても定足数の全面排除はできませんのでご注意ください。

最低でも取締役の選任決議については、議決権を有する株主の3分の1の出席が必要です。

余談ですが、よくひとり会社の定款を見ていると、普通決議で定足数を排除して、取締役の選任決議は定足数の3分の1以上の出席にしているところがあります。

私は、ひとり株式会社の場合、普通決議については、定足数を定款で排除するべきではないと考えています。

株主が増えてきたときに、定足数排除をしてしまうと、経営に影響が出ることが予想されるからです。

ここが雛形定款の怖いところです。

完全に余談となってしまいました…

就任承諾書に押印する印鑑は?

まず、平取締役が就任する場合、非取締役会設置会社の場合は、就任承諾書に押印する印鑑は取締役個人の実印となります。

なので、選任された取締役の印鑑証明書も必要になります。

なお、任期満了により再任された取締役については、就任承諾書に押印する印鑑については認印でよく、印鑑証明書は不要です。

代表取締役の就任について、非取締役会設置会社の場合はちょっと注意が必要です。

定款に「取締役の互選により代表取締役を選定する」場合は就任承諾書が必要です。

非取締役会設置会社の代表取締役の就任承諾書については、認印でいいとされています。

なお、株主総会で代表取締役を選定する場合、取締役の地位と一体化しているため、別途就任承諾書の添付は不要とされています。

しかし、私の場合は、就任承諾書を用意しています。

なお、代表取締役を選任した互選書や株主総会議事録については、出席取締役は個人実印の押印及び印鑑証明書が必要です。

この議事録押印にも例外があり、以前の代表取締役が会社実印を押印できる場合、出席取締役の実印押印は不要です。

就任承諾書で注意することは?

就任承諾書には、基本就任日を記載します。

「本総会をもって選任されたので、就任を承諾します」と記載して、選任された日を特定するために日付を記載します。

条件付で就任する場合は、「令和○年○月○日をもって就任します」ということを記載します。

あと、取締役の住所を記載するかという問題があります。

商業登記法では、印鑑証明書を添付する場合、就任承諾書に住所の記載はいらないと条文上は読めます。

しかし、実務では、就任・重任を問わず現状で車就任承諾書に住所を記載する扱いとなりますので、注意してください。

株主総会議事録に就任承諾した旨を記載すれば、別途就任承諾書の添付はいらないという実務の扱いはあります。

しかし、その場合は、議事録に就任した取締役の住所を記載し、さらに議事録の末尾に取締役の実印押印が必要となります。

できれば取締役の就任承諾書を用意したほうがいいでしょう。

まとめ

取締役、代表取締役の就任の日付は原則選任された日を記載することが多いです。

しかし、何らかの条件で就任日がずれる場合は、条件付で就任することになるので、就任承諾書にその旨を記載します。

その場合は、任期の起算日がずれるので注意してください。

今回は
『取締役の就任日と就任承諾書に押印する印鑑について 小さな会社の企業法務に詳しい司法書士が解説します』
に関する内容でした。

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参考書籍

商業登記ハンドブック〔第4版〕

松井 信憲 商事法務 2021年07月30日頃
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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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